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みなさんは、「ジェンダー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「社会的性」などと訳されることの多い「ジェンダー」ですが、近年、LGBT運動の盛り上がりの中で、「ジェンダー」についてきちんとした理解が求められる場面が増えてきているようです。
「ジェンダー」についての学問、すなわち「ジェンダー論」を講座として持っている大学の全国に増えてきています。
今日は、大学生として最低限おさえておくべき「ジェンダー」についての基礎についてまとめてみます。
「ジェンダー gneder」とは、「社会的性」「社会的性差」と訳され、社会的に作り上げられた性別に対する考え方のこと。
その対義語になるのが「生物的性」「生物的性差」である「セックス sex」です。
「生物学的性差」が、子どもを産むことができる/できないといった生物学的に決定されている事柄なのに対して、「社会的性差」は、社会が蓄積してきた「男とはこうあるべきもの」「女とはこうあるべきもの」という概念。
これは社会が決めるものであり、社会が変わればまた変化するもの。
例えば、日本では、「女性は結婚したら家庭に入り専業主婦として家事や育児に専念するべき」という考え方が主流でしたが、時代の変化とともに今では女性も社会で働くのが当たり前になっています。
このように「ジェンダー観」は固定された本質的なものではないということをおさえておく必要があります。
こうした「ジェンダー」を軸にして様々な事象を扱うのが「ジェンダー論」または「ジェンダー学」と呼ばれる学問です。
女性の地位向上を目指した「フェミニズム」、性的マイノリティや性の多様性についての研究、男女共同参画など、ジェンダー論が扱う分野は多岐に渡りますが、その根底には、「社会的性差」がどのようなものであるかを学び、一人一人がより良い社会を築くための思考を構築するという姿勢があると言えます。
大学でジェンダー論を学ぶことができるのは、社会学科や心理学科、国際コミュニケーション学科などがあります。
また、学科の中の分野として独立していなくても、ジェンダーを専門に研究する先生が講義を持っている大学もたくさんあります。
特に大学院では専門のジェンダー研究専攻を置いている大学もあるので、興味のある人は調べてみてください。
ちなみに、日本でもっともよく知られているジェンダー研究の大学のひとつに、お茶の水女子大学があります。
お茶の水女子大学では、1975年に設立された「女性文化資料館」が1986年に「女性文化研究センター」に改組。
さらに1996年には、国際的なジェンダー研究を目指す「ジェンダー研究センター」となり、お茶の水女子大学創立140周年を迎えた2015年に「ジェンダー研究所」となりました。
またお茶の水女子大学大学院博士後期課程には、ジェンダー社会科学専攻とジェンダー学際研究専攻が設けられるなど、日本のジェンダー研究のトップとして多くの研究者を輩出しています。
最後に、ジェンダー論に興味を持った人のために、おすすめの本を2冊挙げておきましょう。
1冊目は、『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた あなたがあなたらしくいられるための29問』(明石書店)。
これは、一橋大学のジェンダー研究ゼミナールでの活動をまとめた一冊。
「女子校の意義ってなに?」「同性婚って必要あるの?」「フェミニズムって怖いもの?」など、大学生が感じた素朴な疑問を出発点にしているので、ジェンダーについて初めて触れる人に格好の入門書です。
2冊目は『LGBTを読み解く —クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)。
近頃よく耳にする「LGBT」ですが、セクシャル・マイノリティについて、多様な性のあり方を包括的に紹介しています。
セクシャル・マイノリティについて勉強してみたい、という人がまず最初に手にする1冊、と評判の本です。
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