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理系学生のための卒業論文の書き方

 

中公新書に木下是雄氏の『理科系の作文技術』という本があり、長い間ベストセラーとなっています。

 

このことは理系の人が文章を書くのが比較的不得手だということを示していると言えそうですが、論理的なことが得意な理系が文章を書くのが不得手だというのは、少し奇妙にも感じます。

 

実は卒業論文に限らず一般的な論文や作文においては、ただ単に論理的に文章を書くだけでは不十分です。

 

論理性をベースに置きながらも、読む人に訴えたり、自分の主張を理解してもらい共感を得るためには、別の視点での努力や工夫が必要になってきます。

 

目次

わかりやすく書くコツ

 

まず大切なのは、テーマの選定です。

 

できることなら、所属する大学や学部が抱えている課題や、解決を迫られている問題に関連するテーマを選ぶと良いでしょう。

 

それらと関係ない内容であっても支障はないのですが、その場合は関心を示されにくくなり、評価する方からすると熱心さが薄れる可能性も考えられます。

 

そして選んだテーマについては、なぜ選んだかというプロセスを整理しておくことです。

 

それは論文にとって大事な枠組みである全体構成と関係してきます。

 

大学や学部の大テーマとの関連性を意識し、その中で自分がどこにスポットを当てたか、なぜそうしたかは、読む人にとっての大きなガイドラインとなります。

 

また、ここがしっかりしていると、論文をわかりやすく書くコツにも繋がります。

 

次に意識することは、読み手と書き手の立場の違いです。

 

その論文の読み手は論文を評価してくれる人なのか、それとも論文で訴えたい相手なのか、ということを考えてみましょう。

 

ここを固定しないまま書き始めると、論文が途中で迷子になったり、ゴールを見失って結論に到達できないということになりかねません。

 

また、書き手の立場も意識するようにしましょう。

 

どうかすると評論家的に冷めた調子で書く人がいますが、それでは伝わるものも伝わらない危険性があります。

 

自分はあくまでも問題解決者であり、当事者として取り組むという意識から離れないことが重要なのです。

 

全体構成について

 

論文の基本的な構成は、三段方式か四段方式を採用するのがいいでしょう。

 

三段方式は序論・本論・結論に代表されるもので、自然発生的なアウトラインと言われています。

 

古くはアリストテレスの三段論法、あるいはヘーゲルの正反合に通じるものがあります。

 

四段方式は起承転結という方法です。

 

転がポイントで、三段形式に一味を加味するものとなります。

 

この形式を踏まなくても論文は成り立ちますが、基本的な構成にしたがって書くほうが書きやすいのは確かなので、特別なケースを除いてはこのどちらかの形式を取るのが良いでしょう。

 

 

オリジナリティある論文を目指す

 

評価する人は多数の論文を読むわけですから、「またこの種の論文か」という印象を持つような論文はできれば避けたいものです。

 

そのため、オリジナリティのある論文を目指すことは何よりも重要になります。

 

論文を評価する際には、一般的に5つの条件があると言われています。

 

それは、論理の正確さ、論旨の明瞭さ、考え方の豊かさ(思索性、先人先哲の知恵を踏まえるなど)、独創性、迫力です。

 

この5つの評価軸を踏まえて書き進めていくようにしましょう。

 

オリジナリティとは、決して奇をてらうのではなく、自分なりの創造性や新しい視点などを盛り込むことです。

 

そうした独創性を獲得するためには、テーマの掘り下げがどのくらいできているかが重要です。

 

回り道のようでも、テーマに関係することは幅広く勉強し、研究する手間暇を惜しまないようにしましょう。

 

まとめ

 

卒業論文は通過しなくはならないプロセスの一つですが、自分にとって成長のためのチャンスでもあるので、そこを意識してチャレンジすれば道は自ずと拓きます。

 

ロジカルシンキングは大事なことですが、それだけにとどまらないで、素晴らしい論文のために、論理を超えたクリティカルシンキングも必要なのです。

 

それには熱意とか情熱が不可欠だということを意識して論文に取り組みましょう。

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