お気軽にお問い合わせください
勉強コラムの最新記事!
お気軽にお問い合わせください
勉強コラムの最新記事!
前回、前々回と「レポートの基本的な書き方」について、具体的な方法を説明してきました。
今回は原点に戻って、「なぜレポートを書くという課題が出されるのか」ということを考えてみようと思います。
時間がかかって面倒くさい、文章を書くのが苦手、テーマが難しい…などなど、大学生の皆さんの中には「レポート」が嫌いな人も多いかもしれません。
4年間の大学生活でレポートを提出する機会はたくさんやってくると思いますが、嫌いなので書くのが億劫になり、なかなか書けないのでさらにレポートが嫌いになる…という負のスパイラルに陥らないためにも、「レポートを書く意義」を考えてみましょう。
大抵の高校では、本格的なレポート課題が出されることはあまりありません。
つまり、レポートは、大学に入って初めて直面する壁、ということになります。
大学というのは専門的な「学問」を行う場所です。
「学問」とは、ただ与えられた問題を解けばいいという高校までの「勉強」とは違い、論理的な思考の上に成り立つもの。
この「論理的な思考」の訓練に役立つのがレポート課題なのです。
きちんとしたレポートを書くということは、専門的な「学問」を身につけるための「最初の一歩」だと考えてください。
多くの学部で、卒業論文が必修になっています。
レポートは、この「大学生活の最終目標」とも言える論文を書くための練習という側面を持っています。
では、論文とは何でしょうか。
それは、「問い」と「答え」とその「論拠」がきちんと示されている文章です。
ある一つの問いが立てられ、その問いに対して明確な答えを主張。
そして、その主張の裏付けとなるような論理的な根拠を示して主張の正当性を述べる。
これらができて初めて、それが単なる独りよがりの文章ではない、きちんとした学問的な論文として成立するのです。
レポートは、この論文のスタイルを小さい規模で行うものだと考えて差し支えありません。
実際に専門の勉強を進めて論文を書く前に、レポートで練習をしておく。
将来の卒業論文のためのステップなのです。
とはいっても、最初から論文のようなレポートが書けるわけではありません。
ひとつひとつ、訓練を積み重ねて論文へと進んでいく必要があります。
そのために、大学の授業で出されるレポートにもいくつかの種類があります。
文献が示され、その内容をまとめるもの。
これは、文献を読んできちんとまとめる練習になります。
あるテーマについて、自分で文献を調べてその内容をまとめるもの。
文献をまとめる練習に加えて、どういう文献を集めればいいのか、文献はどうやって集めるのかの練習になります。
ある問題=「問い」が与えられ、それについて自分の考えをまとめるもの。
その「問い」がなぜ重要なのか、その論拠を調べて主張する。
あるいは、「問い」に対して賛成・反対の考えを示し、その理由を客観的な論拠によって示して主張する。
つまり、「問い」に対する「答え」の裏付けになる根拠を文献などを通じて立証し、その正当性を主張する、という論文の核になる部分の練習になります。
与えられたテーマについて自分自身で重要だと思う「問い」を立て、それに対して「答え」を考え、「論拠」も集めて示すというもの。
つまりこの4つ目のパターンのレポートこそ、最終的な論文のスタイルで書くものということになります。
「問い」はどんなものでもいいわけではありません。
誰が見ても「この問いは解くに値する」と納得できるものである必要があります。
つまり「問いの立て方」そのものにも訓練が必要なのです。
先ほどのレポートの4パターンは、進むに従って要求されるレベルが高くなっていることがお分りいただけたでしょうか。
つまり、論文を書くためには、こうした段階的なレポートの練習を踏んでおく必要があるわけです。
段階的にレポートを書いていくうちに、だんだんと論文を書くテクニックが身につく、とも言えるでしょう。
また、自分は卒業論文を書く必要がないという人も、こうした論文を書くための練習をすることで、「論理的な思考」が身につくというメリットがあります。
そして「論理的な思考」は、社会に出て仕事をする上でも非常に重要なものです。
様々な価値観を持った人たちがいる中で、適切にコミュニケーションを取りながら自分の考えを主張していく上で欠かせません。
大学のレポートというのは、このように、将来社会人として生きていく上のスキルを身につけるための基礎的な訓練でもあるのです。
将来への自分の投資の一つだと考えて、ぜひレポートを書くことに慣れていってください。
\無料相談実施中! /