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紙とタブレット、本当に効果的な勉強はどっち?

 

みなさんは「EdTech」という言葉を聞いたことはありますか。

 

「EdTech」とは「Education(教育)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語で、教育とICT技術を組み合わせた新しい教育サービスのことです。

 

インターネットを活用した教育サービス、と考えればわかりやすいでしょう。

 

これまで公教育の分野にはなかなか技術革新の成果が反映されてこなかったのですが、政府は2020年までに全国の小中学校に1人1台タブレットを配布することを決定、オンライン授業を進める方針を打ち出しています。

 

このように、教育の分野にもIT化の波は押し寄せてきているわけですが、大学の授業では変わらず先生は板書をし、参考書は紙の本が多いのではないでしょうか。

 

また、授業を受ける学生も「書いて覚える」派の人は少なくありません。

 

実際に、紙のノートとタブレット、どちらの勉強法が優れているのでしょうか。

 

目次

集中か、概要か

 

モニタ上では気がつかなかったが、紙に印刷すると文章の間違いに気づく、というケースはよくあります。

 

実際、プロの編集者でも、校正(文章や文字に間違いがないかどうか確認する作業)は紙に印刷したもので行うことが圧倒的です。

 

これは、紙に印刷された文字とスマホやタブレットの文字とでは、「光」に違いがあることが原因だと考えられています。

 

すなわち、紙に書かれている文字は太陽や照明の光が反射することで目に入ってきますが、スマホやタブレットは直接光源からの光が目に入ってくるという違いがあります。

 

反射した光で文字を読むとき、私たちの脳は自動的に「分析モード」になるので、紙に書いた文字を読むときには脳が「そこに書かれている文字は正しいかどうか」を分析・判断するようになる。

 

それに対して、直接光源からの光が目に入ってくるときには、脳は「パターン認識モード」になり、細かい部分よりも大まかな全体像をとらえるように働くのだそうです。

 

つまり、それぞれ得意分野が違うということ。

 

ざっくりいえば、スマホやタブレットは短時間で大量の情報を読み取るのには向いており、一方紙は、細かい内容を読み取るのに適している、ということになりそうです。

 

書くことで覚える

 

ですから、例えば何かのテーマについて大量の文章や資料を読むときには、まずはスマホやタブレットで読むのがいいかもしれません。

 

しかし、その内容を細かいところまでしっかりと覚えるには、やはり紙のノートにペンを使って「書く」のが良いのではないでしょうか。

 

アメリカ・ブリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者が行った研究では、パソコンに打ち込むよりも紙に手書きでノートをとる学生の方が成績が良かった、という報告が発表されています。

 

やはり、昔ながらの「書いて覚える」には科学的根拠があるのです。

 

暗記や演習問題をやるには紙のノートを使って行う方が成果につながるようです。

 

 

デジタルの使いこなし方

 

とはいえ、スマホやタブレットも使い方によって成績アップにつなげることが可能です。

 

先ほど述べたように、デジタルは「大量の情報を素早く処理する」のに向いているわけですから、例えば、大学の授業で先生が話すことや板書した内容を書き写すには、スマホやタブレット、パソコンなどのデジタル・デバイスを使う方が、はるかに効率が良さそうです。

 

実際に、先生が喋るスピードで紙のノートをとるのは至難の技。

 

授業中にはスマホやタブレットで素早くメモしながらざっくりと大まかな内容を把握しておき、細かい内容は後からゆっくりと復習する、といった方法が良いのではないでしょうか。

 

まとめ

 

紙のノートとタブレットなどのデジタル・デバイス、どちらが優れているということではなく、それぞれの長所を理解した上で活用することが大切です。

 

授業の内容や大量の資料をメモを作るときにはデジタル・デバイスで、そして暗記や問題を解くなどじっくりと細かいところまで頭に入れるためには紙のノートを使うなど、それぞれの特徴を利用した勉強法で成績アップに繋げてください。

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