論文検索システム「CiNii」の使い方
2019年01月25日
大学生になるとレポート作成や卒業論文という作業があり、その書き方はもちろんのことどのように情報を収集するかというのも非常に大切になります。
書籍やネットの情報を参考にして執筆するという学生が多いと思いますが、今日紹介する「CiNii」はとてもおすすめのツールです。
「CiNii」とは何なのか、その特徴、利用上の注意点などについてわかりやすく解説します。
【そもそもCiNiiとは】
CiNii(サイニー)とは、国立情報学研究所(NII)が作成している論文情報データベースのことです。学協会刊行物・大学研究紀要・国立国会図書館の雑誌記事索引データベースなど学樹的論文を探せる論文データベースサービスです。
日本語で書かれた論文を探す時には、まず最初にアクセスするべきデータベースといえます。
≪CiNiiの3つのジャンル≫
CiNiiは大きく3つのジャンルがあります。順番に解説します。
CiNii Articles 日本の論文を探す
学協会刊行物・大学の研究紀要・国立国会図書館の雑誌記事索引データベースなどの学術論文が検索できます。
CiNii Books 大学図書館の本を探す
全国の大学図書館が所蔵している本や雑誌の情報を検索することができます。
CiNii Dissernations 日本の博士論文を探す
日本国内の大学、独立行政法人行政評価・学位授与機構が授与した博士論文の情報を検索できます。
≪CiNiiの特徴3つ≫
CiNiiの特徴を順番に解説します。
豊富な論文情報
CiNiiには2020年3月末時点で検索できる論文数は約2,200万件です。
同じ論文が複数データベースに登録されている場合は1つの論文として表示されます。
論文を見つけやすい
膨大な数の論文からあなたが探しているものを簡単に見つけてくれます。
他のサービスとの連携を進めることでより多くの論文に到達できるように日々改善がされているのも特徴です。
引用関係を表示
CiNiiでは探した論文について参考文献と引用文献が表示されるので引用関係を辿ることができます。
【CiNiiを利用する上での注意点】
CiNiiは誰でも利用することができますが、利用区分に従って利用できる機能に違いがあるので注意が必要です。
≪認証機関(大学など)に所属している≫
大学全体で利用申請をしていれば、大学内の端末からはすべての機能を利用することができます。
自分の大学が「認証機関」に所属しているかどうかは図書館などで一度確認してみましょう。
≪所属機関がなく、個人IDを取得する≫
大学とは関係なく個人でIDを取得することもできます。
ただし、2017年4月時点で個人IDによる拡張機能はないようですので、大学でCiNiiが利用できるならばわざわざ取得する必要はないでしょう。
≪所属機関がなく、個人IDも取得しない≫
大学に所属しておらず個人IDを取得していなくても、CiNiiを利用しての論文検索は可能です。
また、抄録や引用情報(その論文が引用している論文/その論文が引用されている論文の件数が表示されるのがCiNiiの大きな特長のひとつです)は閲覧できます。
つまり、自宅で自分のPCからでもCiNiiは利用可能ということです。
【CiNiiの使い方】
CiNiiの使い方は非常に簡単です。論文の検索方法を簡単に説明しておきましょう。
≪ステップ1≫
まずは「CiNii Articles」のトップページを開きます。
≪ステップ2≫
「フリーワード」という項目があるので、ここに調べたい論文のテーマとなるようなキーワードを打ち込んでみましょう。
ここでの注意点は2つ、まずは検索ワードは必ずスペースを空けて打ち込むようにしましょう。そうでないと検索結果数が大きく変わります。
そして、検索を行う際は「本文あり」を選択することでPDFファイルが入手できるもののみが検索結果として表示されるようになります。
これをしていないとPDFファイルがダウンロードできなくなってしまいますので注意が必要です。実際この問題を抱えている学生は多いです。
≪ステップ3≫
具体的な論文のタイトルがわかっているなどもっと詳しく検索をかけたい場合は、「詳細検索」のボタンを押して必要事項を入力しましょう。
「タイトル」
「著者名」
「著者ID」
「著者所属」
「刊行物名」
「ISSN」
「巻号ページ」
「出版者」
「参考文献」
「出版年」
上記の項目が現れます。
≪ステップ4≫
検索結果が一覧で表示されるので、調べたい論文のタイトルをクリックすると詳細情報が表示されます。
≪論文情報が得られたら≫
論文の検索結果には、その論文がどこにあるのかという情報がリンクとして出てきますので、リンクボタンを押して本文にアクセスしていきます。
中には、本文自体へのリンクが貼られていてそこから全文を見ることが可能なケースもありますが、たいていの場合は、論文を所蔵している大学や研究機関、掲載された雑誌、学会などが表示されるのでそこから論文を入手するという流れになります。
例えば、所蔵先が大学図書館であれば、自分が所属する大学図書館を通じて論文の閲覧を申請することができます。
また、国立国会図書館所蔵の資料であれば、NDL-ONLINE(国立国会図書館の検索データベース)を通じて閲覧や複写の申し込みをすることが可能です(ただし登録利用者のみ)。
【まとめ】
いかがでしたか?今日は、大学生ならぜひ知っておきたい論文情報データベースCiNiiについてでした。
卒業論文やレポートなどを書く際に、まずは日本語で書かれた文献を探すのは「はじめの一歩」です。
普通の書籍や雑誌なら国立国会図書館のデータベースで検索するのが近道ですが、特に論文に特化しているデータベースがこのCiNiiです。
「日本語の論文を探すのはCiNii」と覚えておき、実際の論文やレポートの執筆に是非役立ててください。
学術論文を検索できるツールとしてはこのCiNiiの他にも「Google Scholar」もありますが、こちらについてはまた次回ご紹介したいと思います。
当サイトではこのように大学生に向けてレポートや論文の書き方など勉強に関する有益な情報を日々発信していますのでぜひ別の記事も参考にしてください。
※この記事は2021年8月に更新しました