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「農業経済学」という分野をご存知でしょうか?
あまり耳にしたことがない方も多いかもしれません。
しかし、私達の生活と深い関わりを持っています。
農業経済学とはどんな分野?という疑問があるかもしれません。
農業経済学とは、社会科学的な側面から農村や農業について研究している分野の学問です。
日本国内では、農学部や農学部に似た学部の中に農業経済学科が設置されている場合がほとんどであることから、農学の分野の1つと考えられています。
一方で、アメリカ合衆国の大学では、応用経済学をメインに学習する学部の1つに農業経済学部が設置されている場合が多いことから、経済学の分野の1つと考えられている場合もあります。
最近は、これまでの農村や農業の問題の他にも、環境の問題に関して研究を行う学問にもなっているのです。
エンゲルの法則とは、19世紀にドイツにいたエンゲルという名前の経済学者が表明した法則で、「家計の中に占めている食費の比率は、生活費の金額が大きければ大きいほど低くなる傾向が見られる」というものになります。
統計した情報に対して研究を行ったエンゲルにより導き出された法則です。
「エンゲル係数」という言葉は、比較的馴染みがある言葉ではないでしょうか。
当時のエンゲルは、衣料費と食費を比べて、各消費の傾向が違っていることを見つけ出しました。
食欲は限界が存在しますが、衣服を着飾ることに対しては欲望に限界がないことを意味しています。
ペティ・クラークの法則とは、「経済が発展していくのに従って、農業で生産される金額が相対して少なくなっていく傾向にある」という法則です。
つまり、農業の発展は、農業とは異なる部門が発展してくのに比較して、成長していくスピードが遅いことになります。
この法則は普遍的でどんな経済においても共通しており、これもまた統計の経験から導き出された法則です。
17世紀にイギリスにいるクラークとペティという経済学者により発見された法則になります。
農業は規模が大きな土地を必要とする土地集約的な産業なので、生産するプロセスを考慮する時に2種類の側面に分類して考えることが必要です。
その中の1つの側面がBC過程になります。
生物学を英訳したときの頭文字である「B」と化学を英訳したときの頭文字の「C」をとってBC過程と名づけられました。
種子の芽が出て成長して実が実るプロセスで栽培する技術にまつわる側面です。
もう1つの側面はM過程となっていて、これは機械を英訳したときの頭文字の「M」に由来しています。
土地の大きさなどが影響を及ぼす側面のことで、主にM過程は生産性やコストなどにまつわる部分です。
収穫逓減の法則がBC過程には該当するので、小さな土地に対して労力を10倍かけたとしても、収穫出来る量は10倍までにはならないことになります。
その一方で、機械を導入して規模を拡大した時にはM過程となり、農地の広さが10倍になると収穫出来る量はおよそ10倍ぐらいになるわけです。
以上がBC過程とM過程の用語解説となります。
農業技術は進歩するのに従って農業における労働生産性は高まり続けますが、食料の生産は特定の水準にまでに到達すると、極端に需要が低下するのです。
そのため飽食状態になることで農業生産は停止することになりますが、農業に従事する1人あたりが生産する量は増え続けます。
ですので、人口が増えなければ、農業に従事する人数は技術が進歩するのに伴って減少していくことになるのです。
ところが、一般的に労働市場は色々な要因によって、あまり流動的ではありません。
よって過剰に農村に人が滞留します。
これが農村過剰人口の用語解説になります。
農業経済学を学習するためには特に予備知識が必要なわけではありませんが、食料や農村、農業についての経済的な側面に対する興味を持ち続けることが勉強のポイントになります。
まとめると、農業経済学とは、農村の問題を経済学の側面から研究して、解決策を見つけていくための学問で、農家だけでなく農業に携わっていない家庭の食生活にも密接に関わっているのです。
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