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大学数学(線形代数編③)

目次

行列の対角化とはどんな分野?

 

高校数学でも行列が扱われ、逆行列や座標変換などに応用する方法を学びます。

 

大学の数学でも線形代数の中で行列についてを学びます。

 

高校数学では2元2次行列を中心に基本的な演算方法(和・差・積)や逆行列を求めるための公式などを学習しますが、大学の線形代数では基本公式を利用せずに逆行列を求める方法を習得します。

 

線形代数では行列式の計算方法も含まれていて、これを活用して外積(ベクトル積)を求めたり、フーリエ変換などを行います。

 

理工系の大学院に進学すると偏微分方程式の解法を学びますが、この時に逆行列を使用する必要があります。

 

行列の対角化は行列の利用方法のひとつで、これは逆行列との積が基本行列になる事を応用してべき乗を求めたり、微分方程式の解を求める際などに利用します。

 

対角化は理学または工学の多くの分野で必要とされる手法なので、理系学部に在籍している学生であれば研究室に配属されるまでにきちんとマスターしておくしておく必要があります。

 

基本的な考え方とは?

 

行列の対角化とは、ある行列Aに対してB=(Pの逆行列)APとなるような条件を満たすような行列Pを求めて変形を行うことです。

 

このような条件を満たすようなPが存在する場合と、存在しない場合の両方があります。

 

もしもこの条件を満たすPが存在する場合にはAは対角化可能であり、AはBに相似であると呼びます。

 

Pは基底の変換行列と呼び、ある行列式Aに対してこのような条件を満たすようなPを求めてBを計算すると対角線上の成分のみが0以外の値になり、他の成分は全て0になります。

 

Bは対角線上の成分を除いて全て0になることから、対角化と呼ばれます。

 

Aのべき乗を求める場合に対角化を利用します。

 

Aを対角化させておいたBの対角線上の成分のべき乗を求めておき、最後にPと(Pの逆行列)の積を求めることにより簡単にAのべき乗を計算することができます。

 

学部課程の線形代数の定期試験や大学院の入学試験であれば、ある行列が与えられていて対角化させたりべき乗を求めるような問題が出題されることがあります。

 

 

勉強方法のポイントとは?

 

行列の対角化をマスターするためのポイントは、3元3次以上の行列の基本的な扱い方や性質をきちんと押さえておくことです。

 

対角化を行う過程では行列式や逆行列を求める必要があります。

 

高校課程で学ぶ2元2次行列であれば公式を記憶することができるので簡単に逆行列を求めることができますが、大学課程では3次以上の複雑な行列を扱うので公式を暗記することができません。

 

そのため、公式を使わなくても任意の行列の逆行列を求めることができるようにしておくことが大切です。

 

3次以上の行列式の解法についても、きちんとマスターしておくようにしましょう。

 

線形代数で取り扱われる数式はシンプルで簡単に計算をすることができますが、大学課程の数学では行列をベクトルとして扱うので理解しにくいと感じる学生が大勢います。

 

そのため線形代数を勉強する場合には、高校課程で学ぶベクトルの基本的な性質についてをきちんと理解しておく必要があります。

 

線形代数では基本ベクトルの性質や意味を理解する目的で4次元以上のベクトル空間を仮定することがありますが、高校で学ぶ直交するベクトルの内積についての基本的な知識を必要とします。

 

まとめ

 

理工系の学部で学ぶ数学の内容は、物理や化学の分野で自然現象を理解したり関係式を得るための道具とみなして学習を進めます。

 

線形代数の授業で扱われる内容は自然科学の他にも情報工学や材料工学など非常に幅広い分野で必要とされるので、1~2年生の間にしっかりとマスターしておく必要があります。

 

高校数学で学ぶ基礎的な内容が不可欠なので、数学が苦手な方は復習をしておくと良いでしょう。

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