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大学の基礎数学として学ぶ数学は微分積分学と線形代数学という2つの柱からなります。
固有値と固有ベクトルは、線形代数学の重要な柱の1つとなっています。
他の重要な柱としては、行列と連立一次方程式、行列式、線形空間などがあります。
固有値と固有ベクトルは、線形代数学の中でもより発展的な学習内容であり、前期15コマ、後期15コマに分ける通年の授業であれば、後期に扱われることが少なくありません。
文系向けの数学であれば、授業で取り上げない場合もあります。
よく理解するためには行列や線形空間の前提知識が必要であり、一言ではなかなかイメージしにくい分野です。
大雑把な説明をすると、スマホで撮影した写真を回転させたり引き延ばしたりする操作のための計算だとイメージしてみてください。
あるいはスマホやパソコンで入力した文字のフォントを大きくしたり、フォントそのものを変えたりする時に必要な計算と表現してよいかもしれません。
より数学的なイメージをしてみますと、スマホで撮影した写真とはxy軸上の数多くの点の集まりとして表現することができます。
写真を見ているだけではわかりませんが、実際には非常に細かい点が画面上に打たれており、それらが集まって写真というものが形成されています。
例えば自撮りをした顔は非常に小さな点が集まってできており、その点1つ1つは(x,y)=(1,1)というような座標点がついています。
高校までの数学で学んだxy軸上の座標点で顔を描くことができるわけです。
では、画像を回転させる時にはどうすればよいでしょうか。
最初の座標点を別の座標点に移動すればよいのです。
例えば顔写真を左右で反転させたい場合は、(1,1)を(-1,1)に移動させるような計算を行います。
ななめにひっぱって伸ばしたい場合には、(2,5)に移動させる、というように、ある座標に一定の数値を掛けて別の座標に移動させれば写真の回転が可能です。
つまり、ある座標点を別の座標に移動させるために掛ける数値が固有値であり、もとの座標点が固有ベクトルであるとイメージしてもらえればよいでしょう。
線形代数学では座標点を行列で表記し、これをベクトルと呼ぶことが一般的ですので、固有ベクトルと表現しています。
大学の線形代数学では、この固有値の求め方を重点的に学びます.
固有値と固有ベクトルの計算では、それまでに学ぶ行列計算、線形空間などの基礎知識が不可欠です。
したがって、まずはこれらの考え方と計算方法に十分馴染んでおきましょう。
特に線形空間のイメージを身に付けることが重要ですが、線形空間自体が抽象的な議論が多く、躓いてしまう人が少なくありません。
大学で用いるテキストと併せて、線形代数学をビジュアル的に理解させることを目的とした入門書を読んでみましょう。
文系学生向けの数学のテキストや図解式の一般書には、線形空間を視覚的に理解できる工夫がなされたものがたくさん出版されています。
大学では数式や演習問題がメインの教科書が使われますので、このような入門書を一度手にしてみることをお勧めします。
またパソコンの計算ソフトを用いた線形代数学のテキストも出版されています。
Excelを用いるのが最も手っ取り早く学べます。
無料統計ソフトのRを使って学ぶこともできます。
線形代数学自体が計算が複雑な分野ですので、ソフトを操作しながら視覚的に学ぶことでよりイメージがつかみやすくなると思います。
ネット上にも学習向けサイトがありますので、探してみてください。
固有値と固有ベクトルは線形代数学の中の上級分野であり、習得するのも一苦労かもしれません。
しかしながら、その知識は、画像処理やフォント処理などのとても身近な場面で使われています。
この分野を理解することで、身近な技術の仕組みをよりよく理解することができます。
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