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大学の授業の物理実験は、高校までとどのような点が異なってくるのか、実験に向き合う姿勢からレポートの作成までを考えてみましょう。
まず、実験のテーマ何なのかを事前に予習しておかねばなりません。
授業で行う実験は本当の研究実験ではなく、既存の研究で確たる事実として認められている事項を確認することが目的となっています。
正確に操作を行えば、出てくる結果は最初から予想ができており、その内容を事前に把握しておくことは大前提です。
そのため、教科書に知識として整理されている物理法則をきちんと理解し、実験資料を読み、何の物理法則を追認することが目的なのかを意識できるようになっておかねばなりません。
それができれば、実験の手順書をただマニュアル読みするのではなく、そこで意図された目的をイメージしながら読むことができるようになります。
結果として、文章で記載されていない注意点もイメージで予想でき、実際の操作がより早く確実に行えるようになります。
実際には完全に正確な操作が行えず、誤差の範囲を超えて予想とズレた結果が出ることもあるかもしれませんが、それはまだ失敗ではありません。
実験の目的が正確に理解できていれば、予想と異なる結果が出た原因を考えることができます。
この検証が正確に行えることのほうが、実験結果が予想範囲に収まることよりも重要なのです。
ある結果が生まれた原因を考える習慣がつけば、将来いかなる仕事をすることになったとしても、自分の力を大きく伸ばす原動力となります。
そのためにも実験の目的を理解し、自分の行った操作が適切であったといえるかどうか、それを後からでも検証できるよう集中するのはもちろん、可能なら気づいた点を細かくメモに取っておくなどしておくのが良いのですが、これができるのは事前に入念な予習をした人だけです。
目的を理解し、各操作ごとに求められる注意点を意識して実行ができたなら、実験の後でそのすべてをじっくり見直すことができるはずです。
レポートが冗長になりすぎないよう、自分が意識したポイントとについて記載していくと、ただの実験書の丸写しにならない、自分だけの手順説明が書けるでしょう。
レポートで一番大切なのは考察です。
上述のように、実験の結果は最初から予想されたことを行うのですから、新発見が行われることはありえません。
出た結果を記載してそれが予想通りだったかどうかを記載するまでは誰でもできるので、ただ結果を報告することそのものには、レポート書式を実際に体験して覚えるという以上の意味はありません。
しかし考察は全員が異なった内容となるべき部分であり、ここに一番の時間をかけるべきでしょう。
実験の意義は、知識で知っている物理法則を体で経験することにあります。
教科書で図式を使って学ぶのと違って、人間は実際に目で見、手で触れて経験した情報は、自分の中にある普段の生活で蓄積した情報と強く相互作用させることができます。
それが実験のルーチン操作であっても、それを実感覚としてインプットすることで、自分の体験とからめた生きた知識とすることができるのです。
よって、考察では、自分がこうして体で「感じとった」物理法則が、それまで自分が何気なく見過ごしていた風景の中に改めて見出せることに気づいたこと等を記載すると、本当に考えて書かれたレポートが出来ることでしょう。
大学の物理実験では、ただ操作を行って予想された結果を報告して良しとするのではなく、どんな理由でどんな結果が出ることが前提となっているのか、を予習し、実際の操作にそれを反映させつつ検証し、出た結果を自分の中にある体験とからめて物理法則を再認識することで、その法則を体で理解することが求められているのです。
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