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文系・理系の選択に迷い、文系に進んだけれど、やっぱり理系の科目を学びたい。
そんな風に、大学生活を過ごす中で、自分が将来進みたい方向性が変わる人もいるでしょう。
文転(理系の人が文系に進路変更すること)と理転(文系の人が理系に進路変更すること)では、
一般的には理転の方が難しいと言われています。
では、文系の大学を卒業した人が理系の大学院に進学することはできないのでしょうか?
文系の大学を卒業し、理系の大学院に進学した人は実際にいます。
ただし、理系の大学から進学してきた人に比べると、理系の基礎が身についていないので、相当の努力が必要だと覚悟しておいてください。
大学院は、大学のように丁寧に教えてくれる場所ではなく、
大学で学んだ専門知識を深める場所、興味がある分野を探求していく場所です。
つまり、「勉強」をする場所ではなく、「研究」をする場所だという意識を持つことが大切なのです。
理転するためには相当な努力が必要ではありますが、理系の中でも比較的理転しやすい分野もあります。
それは、文理融合の要素が強い分野や広範囲の知識が必要な分野です。
例えば、情報系の分野です。
情報学は文系の観点から分析する場合と理系の観点から分析する場合があります。
文系の場合は、社会の中での情報の役割やマスコミュニケーションをテーマとする場合が多く、
理系の場合は、コンピュータのハードウェア・ソフトウェアや情報システムをテーマとする場合が多いです。
経済学部などで学ぶ統計や分析は、情報学とも関連が深く、十分活かせる分野です。
家政学部・生活科学部では、人間の衣食住や社会や環境と人間生活の関わりについて学びます。
食物学・栄養学・環境科学は理系の要素が強いですが、
人間生活に関する部分は文系の要素もあります。
ITと聞くと数学的なイメージを持っている方もいると思いますが、論理的思考が関係している場合も多いのです。
文系でも、パソコンやコンピューター系全般に強い人もいるでしょう。
自分でホームページを作成できるほどのスキルを持っていれば、大学で数学を専門的に学んでいない場合でも、それほど問題にならないこともあるようです。
当たり前のことではありますが、大学院は大学で学んだことをさらに深めることが目的の場所です。
そのため、大学院の授業は、大学で基礎を学んでいることが前提のカリキュラムになっています。
その基礎の部分を学んでいない文系の学生にとっては、相当大変だと感じるでしょう。
もちろん、ある程度は自主的に勉強することも必要になってきますが、
大学で専攻していた分野に少しでも近い分野を大学院でも専攻し、大学で得た基礎知識を活用していけると、心理的負担は軽減するでしょう。
大学院入試は外部進学よりも内部進学の方が有利といわれています。
つまり、今通っている大学に付属の大学院があり、そちらへの進学を希望しているのであれば、
学部生のうちに理系の学部に転部しておいた方が入学しやすいのです。
同じ大学であれば、卒業に必要な単位の中に、教養科目などの全学部共通している科目が含まれている場合もあるので、単位も取得しやすいでしょう。
また、外部進学の場合は、自分で研究計画書を書く必要があるので、文系出身者にとってはハードルが高い部分もありますが、
内部進学の場合は、大学の成績や教授の推薦なども加味されますし、研究計画書を添削してもらうことも可能です。
大学院でも同じ教授が継続して指導する場合もあるので、可能であれば学部生のうちに理転しておいた方が有利にはなるでしょう。
文系の学生が大学院から理系に進むのは、ハードルが高いことであることには違いありません。
しかし、決して不可能なことではありません。
社会に出ると、大学で勉強していたこととは全く別の分野の仕事をしている人もたくさんいますし、
就職活動をする上で、大学時代に経験したことは大きなアピールポイントになります。
理転を希望している人は、諦める前に様々な可能性を探ってみてください。
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