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2019年から「専門職大学」という新しい大学が誕生しました。
専門職大学は、特定の職業に就くために必要な知識・理論・技能、そして実戦的なスキルを学び、その分野のリーダーとなり得る人を育成するための大学です。
知識を学ぶだけではなく、卒業後は即戦力として活躍できるよう、実習も豊富なカリキュラムとなっています。
従来の大学と専門学校の良い所を融合した大学と言えるかもしれません。
大きく異なる点の1つは、「学位」です。
専門学校の場合、卒業後に取得できるのは「専門士」ですが、専門職大学の場合は、「学士(専門職)」という学位になります。
つまり、「大卒」ということになります。
そのため、卒業後は大学院への進学や留学をすることもできますし、研究者になるという道もあります。
専門学校は、学ぶ内容や各学校の規定によって、修業年数は様々です。
一方、専門職大学は、基本的には従来の大学と同様、4年(専門職短期大学の場合は2年または3年)です。
また、卒業に必要な単位は、専門学校の場合は年間800時間以上、専門職大学(4年制)の場合は124単位となっており、どちらかというと、専門学校よりも大学に近い形になっています。
専門学校は職業に特化した内容を学ぶことができます。
美容師なら美容師としてのスキルを見つける美容専門学校に通い、「技術」を磨きます。
どちらかというと「実践重視」のカリキュラムとなっています。
一方、専門職大学は、従来の大学と同様に、理論から学ぶことができる上に、専門学校のように一定時間以上の実習もカリキュラムに組み込まれています。
また、専攻している分野以外の分野も学ぶことができます。
専門職大学は、前例にとらわれない柔軟な対応ができる人材を育成する場所なので、幅広い知識を得て、将来的に業界をリードする人材になることを期待されているのです。
専門学校は「職業」を学ぶ場所で、専門職大学は「業界」を学ぶ場所と言えるかもしれません。
「理論と実践の両方を学ぶ」ことができる点が専門職大学の特徴であり、専門学校との違いです。
従来の大学は、理論重視のカリキュラムでしたが、専門職大学は従来のように理論も学びながら、専門学校のように技術も学ぶことができます。
専門職大学(4年制)の場合は、1日8時間を15週間以上、通算600時間以上の学外実習が組み込まれており、現場での経験も積むことができます。
専門職大学は、産業界のバックアップがあるため、提携企業で実務を学び、大学生のうちに即戦力になる人材となれるようなカリキュラムとなっています。
従来の大学の教員は、専門分野を教えてくれる「研究者」が多いですが、専門職大学では2つのタイプの教員を置くことが定められています。
1つは理論的に研究をする「研究者」、
もう1つは、業界で経験・実績がある「実務家」です。
従来の大学でも、非常勤・客員教授などで、実務家教員が授業をしている大学もありますが、規定として定められているわけではありません。
専門職大学では、理論は研究者、実務に関連した部分は実務家から学ぶことができるのです。
従来の大学の授業は、大教室で100人以上が受けているような授業もありますが、専門職大学は40人以下の少人数制となっています。
これは、専門職大学の特徴でもある、理論と実践の両方を学ぶためです。
大人数だと、全員の質問に答えられなかったり、1人1人の理解度を把握することは困難ですが、少人数制のため、より密度の高い授業が受けられます。
新しい大学の制度の誕生は55年ぶりです。
時代の変化とともに、大学での人材育成の方向性は変わりつつあります。
現在では、大学への進学は当たり前のようになってきましたが、大学という専門的な分野を学ぶ機関での自分のあり方を見つめ直す時なのかもしれません。
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