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学ぶ分野は同じであっても、実際の授業内容は大学によって異なります。
「理想と違った」
「合格したけど、授業についていけない」
と現在困っている人も少なからずいるのではないでしょうか?
入学してみないと実際にどのような形で授業が進められるかは分かりませんが、実は、見方によっては、入試の科目や試験内容に入学後の授業のヒントが隠れていると言えなくもないのです。
どういうことなのか、今回は慶応義塾大学を例にして説明していきたいと思います。
国内の私立の中でもトップクラスの慶応義塾大学。
一般的に大変優秀な大学として認められています。
毎年の大学受験者の数は安定しており各学部でも高い倍率を誇っています。
第一希望にしている受験者が多く、しっかりとした出題傾向の分析と対策を求められることになります。
大学別の対策の必要性は今や常識になっていることではありますが、特に慶応義塾大学の出題傾向は各学部ごとに大きく変わっているのです。
出題傾向を見ると、学部によって重視されている科目がまったく違っていることに気が付きます。
神奈川県藤沢にキャンパスがある環境情報学部と総合政策学部は2科目の選択だけの受験が可能となっています。
いずれも小論文が必須となっており、残り1科目が「数学か英語」「数学と英語の混合」「数学と情報」の3択です。
学部の名称からだと「社会系の学部かな?」と思いがちですが、どの選択でも数学は必須であることから、数学が非常に重要視されていることが分かります。
そして、SFC(湘南藤沢キャンパスの2学部)で出題される英語は大量の英文を速読力で解いていく出題傾向にあり、生半可では立ち向かえないほど難解なものになっています。
このように、数学(理系科目)も英語(文系科目)も重要視されています。
実は、、慶応義塾大学のHPにも記載があるように、SFCでは、両学部を文・理に区別して考えていない、文理融合の学部なのです。
ゆえに、授業も理系要素も文系要素もどちらも含まれているものが多いと考えられるのではないでしょうか。
文学部については英語・小論文・日本史もしくは世界史の3科目の固定。
英語と社会は暗記が物を言うタイプの出題傾向で、高い偏差値がそのままダイレクトに反映されるとみていいです。
残された小論文は配点が高く、結局ここで合否が分かれるといった傾向にあります。
単語や用語などの基礎をきちんと理解していることが前提であり、それを応用していく力が試されると考えられなくもないのではないでしょうか。
商学部はA方式(英語・数学・社会)とB方式(英語・社会・論文)の2種類の選択。
特筆なのは、地理を受験科目として選択できるのは慶應義塾大学の中でも商学部(A方式)だけなのです。
そして、数学の出題内容はセンター試験と似ています。
このことから、経済や産業的な視点を重視した学部であると言えるのではないでしょうか。
経済学部は現在はA方式(英語・数学・小論文)かB方式(英語・日本史または世界史・小論文)のいずれかの選択に変わりましたが、
入学後も数学を使った授業があるため、1990年代に入るまでは数学が必須でした。
このことから、一般的に経済学部は文系と言われてはいますが、入試の段階から数学を重視していることがうかがえます。
法学部は外国語・日本史または世界史・小論文の3科目。
文系の一般的な入試科目ではありますが、外国語や日本史または世界史という部分を見ていくと、今後国際的な視点も必要になってくるという捉え方ができなくもないでしょう。
もちろん、授業内容や進め方は先生によっても異なるため、入試の傾向を見ただけで一概に判断することはできません。
ただ、特にセンター試験の受験が必須ではなく、試験科目を大学側で自由に決められる私立大学の場合、入学後に必要ない科目をわざわざ入試科目に含めることはあまりないと思われます。
そのため、文系の学部だから理系科目は入学してから必要ない、などと考えるのではなく、受験した時にどのような問題があったかを振り返ってみると、意外と今の授業につながっているかもしれません。
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