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4年より早く卒業できる!?「早期卒業制度」とは?

 

 

目次

「早期卒業制度」とは?

 

「早期卒業制度」は文字通り、早期=4年未満(3年または3年半など)で卒業できる制度です。

 

もちろん、成績が優秀であることや卒業に必要な単位を取得していること、その他各大学で定められた規定があり、その規定をクリアできた人だけが対象となります。

 

また、同じ大学の大学院に入学することを前提として、早期卒業制度を適用するケースもあります。

 

「早期卒業制度」のメリット

 

それでは、「早期卒業制度」を利用するメリットを見ていきましょう。

 

授業料が節約できる

 

早く卒業した分(3年で卒業した場合は1年分)の授業料が節約できます。

 

また、一人暮らしをしている場合は、その分家賃や生活費の節約にもなります。

 

人によっては百万円単位の節約にもつながるのです。

 

他の人より早く社会に出ることができる

 

他の人より早く社会人として働くことができるため、早く、多く収入を得ることができます。

 

また、会社によっては、「本来4年間で取得する単位を3年間で取得した優秀な人」という高い評価をしてもらえるかもしれません。

 

専門分野の研究にいち早く取り組める

 

他の人より早く研究室に入ったり、大学院に進学できるため、自分が興味を持っている分野をいち早く研究することができます。

 

1つの分野を究めたい人や大学院に進学するつもりで入学した人にとっては、嬉しい制度といえるかもしれません。

 

「早期卒業制度」のデメリット

 

一方で、デメリットもあります。

 

時間的余裕が少ない

 

当然といえば当然ですが、4年間で取得する単位を3年から3年半の間に取得するので、他の人より多く授業を履修したり、上手に時間を使う必要があります。

 

取得単位数だけではなく、成績も影響してくるため、他の人より努力しなければ良い成績をおさめることはできないでしょう。

 

また、部活やサークル、アルバイトに費やす時間が少なくなることも覚悟しておいた方が良いでしょう。

 

就職に必ずしも有利とは限らない

 

「早期卒業制度」はまだ認知度が低いため、3年で卒業していることが優秀と認識してもらえない場合があります。

 

ちゃんと卒業しているのか、短大や高専とは違うのか、という疑問を持たれることもあるようです。

 

大学での4年間で得られる経験を重視している企業の場合は、「もっと学生時代にしかできないことに取り組んでほしい」と思われるケースもあります。

 

また、就職活動のスケジュールも4年で卒業する場合とは異なってくるため、十分に就職活動に取り組めないこともデメリットの1つです。

 

 

 

 

「早期卒業制度」を導入している大学

 

「早期卒業制度」を導入している大学の一部を例に、実際にどのような規定があるのか、どのような流れで早期卒業決定に至るのかを見ていきましょう。

 

宇都宮大学

 

早期卒業の対象者は「本学に3年以上在学し,所属する学部の卒業要件とする単位を特に優秀な成績をもって修得したと認められるもの」と定められています。

 

早期卒業候補者には、卒業論文、卒業研究、卒業制作、もしくは最終試験が課され、それらの成績が「秀」もしくは「優」であることが条件となっています。

 

成蹊大学

 

成蹊大学の経済学部では、以下の流れで早期卒業者が決定されます。

 

2年次:早期卒業に希望登録

3年次4月: 早期卒業候補者決定

3年次3月:早期卒業者確定

 

また、早期卒業とは別に、成績優秀者を表彰する制度もあります。

 

明治大学

 

明治大学の法学部では、大学院への進学を希望する成績優秀な学生を対象に早期卒業制度を実施しています。

 

早期卒業を希望する学生は、3年次の履修登録時に申請が必要です。

 

申請資格は、以下の通りです。

 

・2年次修了時に卒業に必要な単位数のうち86単位以上を修得していること

 

・成績が一定基準を満たしていること

 

そして、その後、以下の条件で審査が実施されます。

 

・3年次修了時点で、大学院への入学手続きが完了していること

 

・所定の単位数と成績基準を満たしていること

 

これらの条件がすべてクリアできれば、学士(法学)の学位が授与され、卒業できるのです。

 

人数は年によって異なりますが、毎年2~8名が早期卒業しています。

 

まとめ

 

2021年夏、文部科学省は「高校時代に大学の授業を履修して単位を取得し、その大学に入学した学生について、4年間在籍しなくても前倒しで卒業できるように制度改正する」方針を固めたとニュースになりました。

 

現在も高校生が大学の授業を受けて単位を取得すれば、大学卒業に必要な単位数として認められていますが、入学後も4年間大学に在籍しなければいけない決まりになっています。

 

それが、入学後に早めに単位を取得してしまえば、早く卒業することが可能になるというわけです。

 

教育制度はただ「学力を身につけるため」のものではなく、「社会を生き抜く力を身につけるもの」に変化してきています。

 

学んだことを理解しているかどうかを評価するのではなく、自分で考え、主体性をもって課題に取り組むことが評価されるようになってきました。

 

就職活動においても、学力よりも主体性やコミュニケーション能力を重視している企業は多くあります。

 

「早期卒業制度」はそんな時代の変化に比例して、今後もどんどん変化していく可能性があるかもしれません。

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