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学問のすすめ(大学生にお勧めの本)

 

 

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」

 

この言葉を聞いたことのある人は多いのではないでしょうか?

1万円札にのっている人、福沢諭吉が書いた本「学問のすゝめ」の1行目に書かれています。

 

学問のすすめという本を知っている人は多いでしょう。

しかし読んだことのある人となると少ないのではないでしょうか?

 

福沢諭吉は、慶應義塾の創設者であり、その本は入学前の学生に向けて書いているのです。

 

彼は、どうして学問することをすすめているのでしょうか?

彼は、どのような学問をすすめているのでしょうか?

 

今回はそんな「学問のすすめ」の要約を書いてみようと思います。

 

  • 目次

    “学問せよ”

 

福沢諭吉は、「学問に精一杯はげめ」というメッセージを本書で一貫して送っています。

 

慶應義塾の学長ですから、当たり前と言えば当たり前ですよね。

 

世の中には、お金持ちの人もいれば貧乏な人もいます。身分の高い人がいれば低い人もいます。賢い人もいれば、愚かな人もいます。

この違いは何でしょうか?

 

それは、学ぶか学ばないかの違いなのです。

学んだ人の仕事は自然と高度なものとなることで、お金も手に入り、身分は高くなり、賢くなるのです。

 

では、どのような学問をすればいいのでしょうか。

 

それは、“普通の生活に役に立つ実学である”と語られています。

 

例えば和歌などを研究する国学者となったとしても、お金や身分などは中々手に入らないのです。

実際の生活ではあまり役に立ちませんからね。

 

例えて言うなら、『古事記』は暗誦しているけれど、今の米の値段を知らない人は実生活の学問に弱い人のことです。

 

こう考えると、実生活に役立つ学問とは、ただ教科書を読むことだけではありませんよね。

実生活も学問、実際の経済も学問、現実の世の中の流れも学問なのです。

 

これから大学に入るのならば、教科書を読むようないわゆる“勉強”ばかりにならないよう注意が必要ですね!

 

冒頭の言葉「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」が意味していることは以下のようなものです。

 

福沢諭吉は次のように言います。

 

点が人を生みだすに当たっては、人はみな同じ権利を持ち、生まれによる身分の上下はなく、万物の霊長たる人としての身体と心を働かせて、この世界のいろいろなものを利用し、衣食住の必要を満たし、自由自在に、また互いに人の邪魔をしないで、それぞれが安楽にこの世をすごしていけるようにしてくれているということだ。

 

 

  • “独立をせよ”

 

福沢諭吉は人民各人の独立の重要性を説いています。

 

なぜならば、各人の独立の精神がなければ、国の独立はありえないからです。

 

これは当時の時代背景にも起因しています。

学問のすすめが著わされた1942年当時、アジア諸国は西欧諸国に支配されており、日本も脅かされていました。

 

富国強兵の名のもとに、日本は軍備を増強し、西欧諸国に追いつくため学問から工業、商売に至るまで国主導で充実させました。

 

しかし、それらが充実しているというだけで独立していると言えるのでしょうか?

 

それらは皆、政府が主導でつくったものであり、国民はあくまでその“お客さん”という状態でした。

人民に独立の気概がなければ、文明の形も結局無用の長物なのです。

 

では、独立の気概とはなんでしょうか?

 

学問のすすめが書かれた1942年当時、「日本が独立を保てるかどうか」ということに疑問をもっている人が多くいました。

 

しかし、当時のイギリスへいって「イギリスは独立を保てますか?」という質問をしてノーと答える人はいないでしょうし、むしろ「何をいっているんだ」と鼻で笑われてしまうでしょう。

 

これは、国の独立に限った話ではありません。

あなた個人は、独立しているでしょうか?

 

今していなくても、将来的には必ず独立しなければなりません。

 

独立の気概がない者は、必ず他人を頼ることになります。

独立の気概がない者は、必ず他人を恐れるようになります。

独立の気概がない者は、必ず他人にへつらうようになります。

 

独立のために必要なことも、また学問なのです。

 

 

  • “品格を高めよ”

 

知識を広げるだけではなく、品格を高めることが重要です。

 

人間のやることには、自分の内側に向けたものと自分の外側に向けたものの2つがあります。

インプットとアウトプット言えばわかりやすいでしょうか。

 

見識や品格を高めていくために重要なことはアウトプットです。

学問のすすめでは、実生活に役立つ学問をすることが推奨されているということをお話ししましたね。

 

本を読むだけではインプットばかりとなり、知識は広まりますが、それだけでは見識品格は高まりません。

 

ある人が経済書や経営書をいくら読んだとしても、その人の実生活において自分の家計もどうにかできないのであれば、それはただ知識を広げただけなのです。

 

結局、正しいものごとを正しいと判断することと、その正しいことを実行することはまったく別の事なのですね。

ですから、インプットだけでなくアウトプットをすることが大切なのです。

 

では、どうしたら知識を広げるだけでなく、見識品格まで高められるのでしょうか?

福沢諭吉は以下のように言います。

 

その要点は、物事のようすを比較して、上を目指し、決して自己満足しないようにすることです。

 

これは今の時代でも非常に大切な考え方ですね。

インプットばかりをすると、何となく自分が賢くなったような気になりますよね。

 

そこで満足してはいけません。

インプットで得た知識はアウトプットすることで周りの人と交換しあい、深め合い、自分に足りなかったものを補っていくのです。

 

福沢諭吉は次のように言います。

 

酒や異性におぼれるものを非難したり、あるいはその是非について議論しているうちは、議論のレベルが低いと言わざるをえない。人間の品格が少し進歩したときには、この程度の話はすでに卒業していて、そんな議論をすればかえって人にバカにされるようになっているはずである。

 

 

  • “正しい実行力を身に付けよ”

 

言っていることと、実際やっていることに違いがないよう、正しい実行力を身に付けましょう。

 

今の時代でも、言っていることとやっていることが違う人って多いですよね。

言っていることに対して行動が伴わないと、多くの弊害があります。

 

言うことは心の作業なので、何の障害もなく発言することができますよね。

なのでどうしても心の作業としての“言うこと”は大きくなりがちなんです。

 

しかしこれに行動が伴わないと、必ずと言っていいほど周りに不平や言い訳をもとめてしまいます。

俗にいう“言い訳”です。

「時代にあわなかった」とか、「めぐりあわせが来なかった」とかですね。

 

福沢諭吉も、語っています。

 

たとえて言えば、石の地蔵の中に飛脚の魂を入れ、脳出血で動けない患者が神経だけ鋭敏になったようなもので、その不平と思いのままにならない苛立ちは推して知るべしである。

 

行動が伴わないと周りの人に嫌われて孤立してしまうこともあります。

 

“言うは易し、行うは難し”という言葉がありますが、

他人の行動に対して自分の心(言うこと)を基準にして比較すると、どうしても他人の行動が小さく、物足りないものに感じてしまうんですね。

 

そんなときに重要なのは、他人の行動を正しく評価するためにまずは自分も同じように行動して見ることです。

 

ただ口をだすだけだと、他人の立場にはたてません。

 

自分も他人と同じ立場になって、その行動の難しさと重要さを実感するのです。

 

 

  • おわりに

 

『学問のすすめ』のエッセンスをとりあげて説明しましたが、読んでいて思うことは現代にも十分に役立つ教訓ばかりだということです。

 

76年前に書かれた本書ですが、今でも重要な考えだと評価されるという本は滅多にありません。

今こそもう一度福沢諭吉の考えに触れ、学問について、独立することについて自分なりに考えてみてもいいかもしれませんね!

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