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構造力学が苦手な人におすすめの参考書

構造力学は、工学部の建築分野をで学ぶ学生にとって重要な科目です。

例えば、一級建築士・二級建築士試験の一次試験のうち25%ほどを構造力学の問題が占めています。

構造力学を理解するためには、基礎的な数学や物理の知識が不可欠。

つまり、高校時代に数学や物理が苦手だった人にとっては(実は高校時代に物理や数学が得意だったという人にも?)、難関の科目といえるでしょう。

今日は、そんな構造力学が苦手な人のために、おすすめの勉強法と参考書について解説します。

目次

【構造力学が苦手な人】

まずは、「構造力学が苦手」というのはどのような人だと思いますか?

ズバリ、それはコツコツと勉強を積み重ねることが苦手な人です。

構造力学、そしてその基礎となる数学や物理は、テスト範囲を丸暗記すれば何とかなるという科目ではありません。

1つの知識の上に次の知識が積み重なっているため、新しく勉強する範囲には前に勉強した内容が必要になってきます。

そのため、一度どこかでつまずくとその後の内容は理解できなくなってしまうのです。

これから構造力学を始める人は、構造力学は積み重ねの学問であるということを肝に銘じましょう。

【用語の意味を理解する】

では、一度授業についていけなくなったら、もうそこから挽回のチャンスはないのでしょうか。

いえいえ、そんなことはありません。

構造力学が苦手な多くの人は、わからないことにわからないことが積み上がってしまい、「自分は何がわからないのかがわからない」という状況に陥っています。

そこで重要なのは、自分がわからなくなった出発点を探し出すことで、そのためには、構造の用語の意味を理解することから始めます。

例えば、次のような構造力学の問題を考えてみます。

反力・曲げモーメント・せん断力を求めて、それぞれの応力図を描きなさい。

この問題を解くためには、ざっと次のような段階の理解が必要だと考えられます。

① 反力、曲げモーメント、せん断力の計算方法は知っていますか?

② 応力図の描き方はわかりますか?

③ 応力の向きはわかりますか?

④ 反力、曲げモーメント、せん断力の意味はわかりますか?

⑤ 記号の意味(支点等)は理解していますか?

⑥ 四則演算(掛け算、割り算、引き算、足し算)は理解できますか?

最後は小学生レベルの計算ですが、ここから上にいくに従って高度が理解力が必要になるため、どの時点でつまずいたかがわかるのではないでしょうか。

ここで注目したいのは④と⑤です。

「反応」「曲げモーメント」「せん断力」という用語の意味、記号の意味がわからなければ、そもそも応用図を描くことまで到達できません。

用語の意味をきちんと理解することがどれほど重要なのかがわかると思います。

【構造力学を理解するためのおすすめの本】

構造力学の用語を理解するためには、まとめて解説してあるサイトなどを参考にするのもいいですが、以下におすすめの本を挙げておきます。

「建築学生が学ぶ構造力学」用語集

こちらはダウンロード版なので購入後すぐに使うことができます。

価格も¥1,980と他の参考書に比べるとリーズナブルです。

『マンガでわかる構造力学』

構造力学の初歩の初歩が書かれているので、苦手意識を持っている人は1冊持っていても損はないかもしれません。

電子書籍と紙の本、両方に対応しています。

『改訂版 図説 やさしい構造力学』

数学や物理が苦手な人でもイラストを使ってわかりやすく構造力学の基礎を説明しています。

大学で習う基礎の範囲は押さえている人気の書籍です。

『建築学テキスト 建築構造力学Ⅰ』

ページの半分に写真やイラストを使っているため、初学者にもわかりやすいと評判です。

また難しい数式には注釈がついているなど構造力学の基礎を学びたい人向けの本です。

『ステップアップで実力がつく 構造力学徹底演習』

これはやさしい導入問題から応用まで演習に特化した問題集です。

基礎を固めるにはやや不向きですが、大学院入試を考えている人は1冊持っていてもいいと思います。

【構造力学のその他の学習方法】

ここまで、構造力学の学習方法の1つとして参考書を取り上げていますが、当然、他にも方法はあります。

ここからはその具体的な方法について解説します。

≪まずは基礎を固めること≫

構造力学は積み重ねの学問と述べていますが、それは基礎の積み重ねともいえます。

数式がわからないと構造力学を理解できませんので、必要に応じて荷重・変位の関係などの微分積分や斜め方向の力の分解の三角関数など高校数学や物理の復習を行います。

高校範囲は問題ない!と思っても意外と見落としているポイントでもあったりするので、一度振り返ってみるといいです。

≪視覚的に学ぶ≫

これはつまり、図などを用いて学ぶ方法です。

構造力学は視覚化が非常に重要であり、頭の中だけで理解しようとしてもなかなか難しいもの。

ノートに矢印やモーメントの回転方向などを書き出して、イメージで理解します。

イメージで学ぶに関連して、先の参考書の他に今ではYouTubeなどの動画を利用するのも1つの方法です。

説明が上手な人がいますので、見やすく理解しやすい人の動画を探してみてください。

≪演習問題の繰り返し≫

いかにアウトプットをするかで理解力は変わってきます。

基礎を押さえてある程度頭に入れたら、次は実際に問題を解いてみます。

そうすることで計算の流れが自然に身についたり、曲げモーメント図のような断面力図は特に早く描けるようになるでしょう。

そのためにも参考書や問題集が使えます。

≪日常生活での学び≫

これはつまり、普段外を歩いている時などに橋を見て、「どのような力が働いているのか」などを考える習慣をつけることです。

実物と関連させることで、構造力学への興味や関心がより一層深まるでしょう。

【まとめ】

いかがでしたか?構造力学が苦手という人は多いかもしれませんが、真面目にコツコツと勉強をすれば成果がついてくる科目でもあります。

本記事で紹介した本や勉強法を参考に、ぜひ苦手を得意に変えてみてください。

参考サイト:建築学生が学ぶ構造力学

※この記事は2025年9月に編集しました

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