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大学生のみなさんから寄せられる悩みの中で、「数学がよくわからない」という声は比較的よく聞くものに入ります。
高校時代、数学をあまりきちんと勉強しなかったのに、大学に入って数学が必修になってしまって苦労しているという人。
あるいは、高校までは数学が得意だったはずなのに、大学に入ったら数学でつまづいてしまったという人。
様々なタイプの「数学が苦手」な人がいますが、やはり、数学は一朝一夕に身につくものではないため、数学で苦労をしている大学生は少なくないようです。
今回は、そんな基礎から数学、特に微分積分を勉強し直したいと思っている人のために、オススメの参考書を集めてみました。
ところで、大学1年生の数学はどんな範囲を扱うのでしょうか。
もちろん、大学や専攻によって異なるケースはありますが、たいていの場合、大学1年生の数学では「解析学」と「線形代数」を学びます。
「解析学」とは、いわゆる「微分積分」のこと。
大学1年生では、主に前期(春学期)に「1変数の微分と積分」を学び、後期(秋学期)に「2変数、多変数の微分と積分」を学ぶ、という範囲になっています。
さらに、先生にもよりますが、常微分方程式を1年生の時に教わることが多いようです。
つまり、大学1年生の「解析学」は、「微分」「積分」「微分方程式」ということになります。
微分積分だけ、というよりも、中学1年生のレベルから数学を全体的に学び直したい、と思っている人にオススメの参考書をご紹介します。
松坂和夫著『数学読本』(岩波書店)
これは、1〜6までの全6巻。
それぞれ、〈1〉数・式の計算/方程式/不等式、〈2〉簡単な関数/平面図形と式/指数関数・対数関数/三角関数、〈3〉平面上のベクトル/複素数と複素平面/空間図形/2次曲線/数列、〈4〉数列の極限、無限級数/順列・組み合わせ/確率/関数の極限と微分法、〈5〉微分方の応用/積分法/積文法の応用/行列と行列式、〈6〉線形写像・1次変換/数論へのプレリュード/集合論へのプレリュードなど、となっています。
なお、2019年5月に新装版が出版され、手に入りやすくなりました。
将来、数学を使うことはないけれど、とにかく単位を取らなければならないので、あまり時間をかけずにサクッと理解したいという人にオススメなのはこれです。
石村園子著『やさしく学べる微分積分』(共立出版)
微分積分を学ぶために必要な基礎的な知識を、高校の数学レベルの復習から解説しています。
自分で勉強できるように、練習問題には詳しい解答が付いているところもポイントです。
高校レベルから大学1年生の微分積分の内容までを、じっくり確実に勉強したいという人向けの参考書はこちらです。
S.ラング著、松坂和夫・片山孝次訳『解析入門 原書第3版』(岩波書店)
高校レベルの基本から、読みやすい語り口で書かれている古典的な名著です。
なお、大学レベルからの復習でいいという人は、同じ著者・役者で『続・解析入門 原書第2版』という本があります。
理工学部の学生が、基礎的な内容を効率よく学びたいという場合にオススメするのがこの本です。
和達三樹著『微分積分(理工系の数学入門コース1)』(岩波書店)
理工系の学生が身につけておくべき範囲が網羅されている基本的な本です。
高校の微分積分を忘れている、という人が復習に使うのにも良いようです。
いかがでしたでしょうか。
こちらに挙げたのは、比較的基本的な本ばかりなので、出版が古い本もあります。
もちろん、最近出版された本の中にもわかりやすい参考書があると思います。
また、授業を担当している先生や先輩に聞いてみるのも良いでしょう。
書店や図書館などで何冊か手にとってみて、自分に合いそうな本を探してみてはいかがでしょうか。
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