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日本では大学を卒業したら就職する人がほとんどなので、「就職に有利」という視点で学部を選ぶという考え方があります。
しかし、この発想で学部や学科を選ぶことが必ずしも就職につながるとは限りません。
まず、就職に有利という理由でたいして興味のない学科を選んでしまうと、学問に興味を持てず、勉強がうまくいかないという問題が発生することがあります。
大学受験から開放された学生生活はただでさえサークルやバイト、友達や恋人との遊びなど楽しい誘惑が多いので、勉強をしっかりとやり続けることは簡単ではありません。
せめて自分が興味を持っている分野や、評判のいい講義やゼミのある学科を選んでいれば、勉強する気持ちを維持していくうえで支えになります。
また、就職に有利な学部や学科を選ぶという同じ発想で学科や学部を選んだライバルはたくさんいます。
そうすると学部や学科による希少価値というものはあまり活かせません。
結局のところ就職活動においては、学部や学科よりも個人の能力で差別化していかないといけないわけです。
留学や資格、課外活動の経験など、他の人とは違う要素を持っている方が能力のアピールとして希少価値を活かせるのです。
また、長い学生生活のなかで、人生に対する考え方がずっと変わらないとは限りません。
もしかしたら就職をせずに留学や旅をしたり、学部や学科とは無関係な分野の仕事に就くことにあこがれることも考えられるでしょう。
大学受験の時点では何年も先の状況を正確に予想することは難しいです。
人生は自分の想像通りに進んでいくとは限りません。
大学で様々な刺激を受けて考え方が変わったり、社会の仕組みや価値観が変化していくこともあります。
大学を卒業しても必ず就職するとは限りません。
就職に有利という理由で学部や学科を選んだのに、あとになって選んだ意味が薄くなってしまう可能性もあるのです。
他にもこんなケースがあります。
就職に有利な学部や学科を選ぶという人は、親からの期待に応えることが目的になってしまっている場合があるのです。
親の希望の大学に入って、親の希望の学部や学科を選び、親の希望の会社に就職するということになったら、あなたの人生は親のためにあるのでしょうか。
本当の自分の気持ちを隠したまま生きていくのは不幸なことです。
今までは親に言われるがままに受験し、進学し、親からの期待に応えてきたとしても、この先何十年も自分の人生は続きます。
今までは様々な面で親のサポートを受けなければ生きてこられなかったのも事実ですが、社会人になれば自分の力で生きていかなければいけませんし、自分の力で生きていくことができるようになります。
自分が何のために大学に行って、何を勉強したいのか、自分の気持ちをよく確かめてみることも大切なのではないでしょうか。
大学受験をする時点では、ほとんどの人は就職した経験もなく、社会の仕組みについても知識がなく、世の中にどんな会社や職業が存在しているのかということを詳しくわかっている人は少ないでしょう。
世の中にいま存在している仕事が10年後にも存在しているとは限りません。
就職に有利だと思って選んだ学部や学科が、将来それほど有利ではなくなってしまう可能性もあるのです。
就職に有利な学部や学科を選べば安心というわけではなく、自分の軸をしっかり持って自分の能力をしっかり高めていくことがこれからの時代を生き抜くためには大切です。
就職に有利という理由で学部や学科を選んだという人も、本当にそれだけを基準にして就職活動をしてもいいのか、自分が本当にやりたいことは何なのか、改めて見つめ直すことが、これからの人生プランを考える第一歩になるでしょう。
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