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中学生に「将来なりたい職業」をアンケートで尋ねると、常に10位いないの上位にランクインする「教師」という職業。
特に、公務員である公立学校の教師は人気の職業ですが、公立学校の教師になるためには、教員採用試験(教採)に合格しなければなりません。
今回は、教員採用試験について解説していきます。
日本では、1970年代後半から教員採用試験の受験者数が増え続け、つまり倍率も上がり続けてきました。
特に1990年代後半には、ものすごい倍率になる自治体・教科が出現し、教員採用試験は「狭き門」というイメージが定着しました。
ところが、データを見てみると、2010年ぐらいから全体の倍率は低下してきています。
これは、「団塊の世代」に当たる人たちが大量に定年退職を迎えており、その補充のために採用者数が増えてきているから。
しかし、日本全国で少子化の影響で子供の数が減ってきているため、この低下傾向もそろそろ終わり、再び倍率が上昇すると言われています。
実際、2017年度は採用数が減少しました。
また、子供の数の減少は、学校の統廃合やクラス数が減るなどの動きに繋がりますから、今後ますます採用の枠は減って行くと考えられます。
つまり、教員採用試験の倍率は「今が底」と言えるのです。
全体的に低下傾向にあるとはいえ、教員採用試験の倍率は自治体によって大きく異なります。
例えば、2016年(2017年採用選考)、富山県では3.4倍だったのに対して、沖縄県や鹿児島県では10倍を超えています(ちなみに東京都は5.1倍)。
また、学校の種類や教科によっても倍率は違います。
一般に、教員免許授与数の多い校種・教科、採用数の少ない校種・教科ほど倍率は高くなります。
だいたい、小学校は3〜4倍程度、中学校・高等学校は7〜8倍程度。
教科は、東京都の中学校・高等学校の場合、地理や歴史は10倍を超える一方、国語・数学・英語は5倍前後となっています。
教員採用試験は1年に1回で、しかも近隣の自治体はだいたい同じ日程で行われますから、一般企業の就職試験のようにいくつも受けるというわけにはいきません。
また、教員採用試験の受験生のうち、大学4年生が占める割合は3割程度。
残りの7割は既卒者で、複数回受験をしてきている人がほとんどです。
合格者の約半数は教員経験者というデータもあり、教員採用試験は、現役大学生にとっては「一発勝負」の「難関」である、と言えそうです。
教員採用試験は例年7月〜9月にかけて、各自治体ごとに行われます。
大体の場合、1次試験が6〜7月、合格発表のあと2次試験が8〜9月、最終合格発表が10月に行われるというスケジュールです。
試験内容は、自治体によって様々ですが、「筆記試験」「論文試験」「面接試験」「実技」「適性検査」が行われるのが一般的です。
①筆記試験
筆記試験は、全受験者が共通して受ける「教職教養」「一般教養」、各校種・教科によって異なる「専門教養」があります。
1次試験で行われることが大半です。
②論文試験
教職についての考え方や意欲をみると共に、文章表現力や論理的な構成力などを評価します。
③面接試験
その人が教職に適しているかどうかを、実際の人物をみて評価します。
近年、教員の質や適性が社会的問題になるケースなどもあり、各自治体とも特に力を入れる傾向になってきています。
1次試験で行われる場合には集団面接、2次試験の場合には個人面接になることが大半ですが、そのほかにも集団討論や模擬授業、ロールプレイなどを行う中で人物を評価することも多くなっています。
④実技
小学校では全教科を教えることになるので、ピアノ弾き語り・デッサン・水泳などが行われます。
中学校・高等学校では、技術・音楽・美術・体育の専門科目では高い技能が必要とされますので実技試験のレベルも高くなっています。
また、英語ではリスニング試験が課されます。
⑤適性検査
適性検査は、その人の性格や個性をみるために行われるもので、合否の参考にします。
近年、教員採用試験の倍率は低下傾向にあり、「今が底」という見方もできますが、各自治体、また校種や教科によっては相変わらず高い倍率のケースも多々あり、特に現役大学生にとっては「難関」であることに変わりはないようです。
教員採用試験は6〜7月に1次試験、8〜9月に2次試験というスケジュールで行われます。
受験を考えている大学生は、3年生の秋から勉強をスタートさせると良いでしょう。
試験の内容は各自治体によって異なりますので、自分が受けようと思う自治体の試験内容や試験の形式をよく確認しましょう。
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