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【大学】卒業論文を書く上での注意点

大学生になるとレポート作成は頻繁にありますが、卒業論文は基本的に人生で一度のみになります。

書き方や参考文献の使い方など、ある程度の決まりはレポート作成と似ていますが、全てではありません。

今日は、卒業論文を書く上での注意点についてご紹介します。

ぜひ参考にしてください。

目次

【そもそも大学の卒業論文とは】

大学生であるあなたは「卒業論文」という言葉は当たり前のように知っているはずです。

卒業時に書く論文のことで、大学を卒業するにあたり「書かなければいけない論文」という認識を持っている人は多いと思います。

卒業論文を書く前に、まずはそれはどのようなもので、どのような目的で書くのか、その詳細をしっかりと理解しておきます。

卒業論文というのは、大学在学の集大成として書き上げる大きなプロジェクトであり、字数にして2万字以上、原稿用紙にすれば50枚以上の量が求められることも珍しくありません。

この卒業論文の主な目的は、学生が研究分野の既存の知識に基づいて論理的推論が行えることを証明することです。

≪論理的推論って何?≫

論理的推論というのは、情報分析能力・論証能力・検証能力などを指します。

情報分析能力は既存の情報やデータを扱いそれを適当に理解し分析することで、

論証能力は自身の主張のために必要な証拠などを集めて、説得力のある議論を作ることです。

そして、検証能力は自身や他人の主張に対して批判的な視点を持って、その妥当性を評価することを意味します。

このように論理的推論を身につけることで、大学で学んだ内容をよく理解できるだけでなく、社会に出てからも求められるスキルになります。

【卒業論文には卒業論文のルールがある】

レポートや論文などに慣れていない人は、普段話す時に使う言葉をそのまま使ってしまうことがあります。

友人と話すようなカジュアルな言葉はさすがに使わないと思いますが、「とても、すごく」のように、文章としても大丈夫だろうという微妙なものは数多くあります。

実際、卒業論文やレポートの書き方について講義などで学ぶ機会はあまりありませんので、学生個人が自ら学ぶ必要があります。

卒業論文の書き方は、社会人になってからもマナーとして大切なので学生のうちにしっかり身につけておきたいものです。

≪レポートとの大きな違い≫

卒業論文は、先に述べた通り、学部生が最終学年で作成する研究結果をまとめたものです。

基本的には、大学生であれば卒業論文はありますが、文系学部の一部ではない場合もあります。

卒業論文の書き方はレポート作成と似ていますが、やはりまず分量が大きく異なります。

4年間学んできたことを示す文章で、大体、1年間ほど時間をかけて論文にまとめます。

他にも、卒業論文とレポート作成の違いにテーマの設定と独自性の有無も挙げられ、レポート作成は基本的に担当教授の指定により各内容が決められていますが、卒業論文では研究する内容に沿ってテーマを考えます

そして、卒業論文では自ら設定したテーマに対しての独自性も強く求められ、ただ単に内容をまとめるだけではいい卒業論文にはなりません。

では、次に、卒業論文を書く上での注意点についてご紹介します。

【大学の卒業論文を書く上での注意点】

まずは、NGな言葉や表現についてです。

Twitterで拡散した「論文に書いてはいけない言葉30」のリストを参考にしています。

「え?あの言葉もダメ?」と驚くような表現や言葉もあるかもしれません。

≪NG言葉・表現≫

NG or 推奨しない言葉・表現その1

論文では、述べた通り、話し言葉や俗語は使わない方がいいです。

・とても、すごく→非常に、極めて
・だいたい→ほぼ、おおよそ
・だから→したがって
・でも、だけど、けれど、けど→しかし、しかしながら
・どうやっても、どうしても→いかなる手段を用いても
・そんな事実はない→そのような事実は認められません
・こわい→恐ろしい
・しっかり→確実に、頑丈に
・じつに→全く
・すばらしい→見事な、優れた
・もう→すでに、もはや
・れっきとした→立派な
・わりと→比較的
・わざわざ→特別に
など

論文では俗語は適切ではありませんが、場合によって必要な時は「」又は’’ ‘’で囲んで使うことは可能です。

NG or 推奨しない言葉・表現その2

・~と思う→~と考えられる
・~かもしれない→~の可能性がある
・~と感じる→~と推測される、~と思われる
・~を知りたい→~を理解する必要があるだろう
・~は嫌いだ→~は必要とはいえない、~は適切ではない
・~は読みたくない→~を正当に評価することは困難である

「~と思う」は、使っている人は多いはずです。

この表現は論文などでは格調が低いものと見なされるので、「~と考えられる」の方がベター。

ただし、論文=「~と思う」はNGというよりは、論文やレポートでの内容は基本的に客観性がいりますので、「~と思う」ではやや主観的になってしまいます。

そのため、論文などでは不適切になることが多いのです。

内容で適切な文脈においては「~と思う」もありで、例えば、その論文テーマを調べようと思ったきっかけなどを述べる際は、「~と思う」でもOKな場合があります。

レポートや論文では、筆者(学生)の個人の見解はあまり重要ではありません。

教授側もそれを求めているのではなく、テーマに沿って伝えたい内容を正確にまとめられているかが重要になります。

それに加えて、自分の見解などを述べるのは構いませんが、主観性がメインになっては論点がズレます。

NG or 推奨しない言葉・表現その3

・みんなが~(だ)と言っている→一般に~(だ)と言われている
・みんなが~(だ)と思っている→一般に~(だ)と広く信じられている

これらは参考文献の提示が必要になります。

・教科書に~と書いてある→(というの)が通説である
・~は読みたくない→~を正当に評価することは困難である
・~は読まなかった→~の評価はまだ定まっていない

ひらがな・カタカナ・漢字の使い分け

卒業論文で間違える学生が多い、ひらがな・カタカナ・漢字の使い分けについても見ていきましょう。

日常会話ではよくカタカナ語が使われますが、この連発は避けます。

例えば、

「このコンセプトのアジェンダは~」など

また、カタカナ語を使う際は、コンピューターやスマートフォンなど日常的に使われているものはOKですが、アジェンダ(議題・課題)のようなあまり一般的でないものは控えます。

目安としては、小学生や中学生でも知っているようなものならカタカナでOK、それ以外は漢字など別の表記を考えます。

そして、カタカナ語を使うのなら、その意味をしっかり理解することです。

中にはどうしても漢字が見当たらなくカタカナを使うことはありますが、その際は、相手に伝わりやすく()などで英語表記を記載するのがいいです。

専門用語や業界用語ならその定義の説明を加えます。

他には、漢字ではなくひらがなで表記するものもあり、それにより読みやすく、白の余白部分が増えるため文章全体が明るめの印象になります。

例えば、

・物→もの
・何時→いつ
・何故→なぜ
・従って→したがって
・余り→あまり
・更に→さらに
・即ち→すなわち
など

≪構成≫

書き方の流れ、どの学術分野かによって異なりますが一般的には、

・概要
・はじめに
・先行研究
・本論
・評価
・まとめ
・参考文献

どれか1つでも欠けると、それはいい卒業論文とはいえなくなりますので注意が必要です。

≪主観的にならない≫

卒業論文ではあなたの主張を単に書くだけではなく、先に述べた通り、テーマを設定しその内容や結論を予測した仮説を立て、それを検証し内容をまとめるようにします。

普段のレポート作成でも同じように客観的な意見を書くようにしていると思います。

≪理系文系別≫

また、理系と文系では卒業論文の種類が異なるので、ここもしっかり把握しておきたいです。

例えば、文系学部の卒業論文であれば、論理展開や文章表現のクオリティが評価基準になりやすいですが、理系の卒業論文では、実験や調査などから得られたデータや結果に関する内容などが重要です。

そのため、図やグラフなどを使うことになり、視覚的な説明力が求められます。

文系では、歴史的な背景や社会現象などの分析をメインにすることが多く、理系の実験などに基づくものとは異なります。

ただ、理系文系問わず、卒業論文では明確なテーマ設定や論理的な構成・文章、リサーチの重要性、引用の正しいやり方など共通する部分も多いです。

≪文章の読みやすさ≫

卒業論文は、読みやすさを重視して1文を長くしすぎない、文体を統一するなどの工夫がいります。

「である調」で書くのが基本である卒業論文では、全て「である調」に統一します。

これが「ですます調」も含めると統一感がなくなります。

≪教授とのコミュニケーション≫

卒業論文は長い時間が必要であり、数日で完成できるようなものではありません。

場合によっては、教授に途中で見てもらったりすることがありますので、普段からコミュニケーションを図っておくようにします。

そこで、何かいいアドバイスや助言をもらえるかもしれません。

あまり話したことがないような関係性だと、学生から「今チェックしてほしい」と頼まれても、教授は「ん?」と思うかもしれません。

≪卒論は読まれるものと認識しておく≫

これはどういうことかというと、卒業論文は何もあなたの担当教授だけが読むものではないということです。

最終審査など必要に応じて、他の教授も読むことがありますので、やはりわかりやすさ、専門的な用語を多用しすぎないことがポイント。

その分野に詳しくない人が読んでも理解できるようにします。

他には、その研究室だけで通じるネタなども控えるようにしてください。

≪データのバックアップは忘れずに≫

そして、毎年のように誰かが経験していることとして、データを紛失したり破損してしまうということです。

せっかく作成したものがなくなってしまえば、かなり辛いので、データのバックアップはこまめに残しておきましょう。

1箇所ではなく最低でも2~3箇所です。

【まとめ】

今日は、卒業論文を書く上での注意点について詳しく解説しました。

大学4年間の最後の難関、ここに多くの時間と労力をかけることになります。

今までの学びに意味があったこと、そしてそれを文字として残すことであなたの功績が今後もずっと残り続けます。

将来見返しても恥ずかしくないよう、その書き方や注意点をしっかり理解し、作成していきます。

ここまで長い文章を書くことは今までのレポート作成ではなかったかもしれませんので、なかなか始められない…ということもあると思います。

でも、深く考えずにまず何か書くことから始めると、案外、進んでいくものです。

当サイトでは、このように卒業論文やレポート作成に役立つ情報を定期的に発信していますので、ぜひ他の記事にも目を通しておいてください。

引用や参考文献についてはすでに下記の記事にまとめています。

【大学レポート】意外と知らない参照・参考・引用の違い

レポートの参考文献とその書き方

レポートで引用する際の注意点

では、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

※この記事は2025年5月に更新しました

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この記事を書いた人

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