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これは物理学の分野のひとつで、力学(運動)と熱の関係をマクロな視点で扱います。
高校課程の化学や物理学でも理想気体の状態方程式(ボイルシャルルの法則)や熱力学第一法則(内部エネルギーと熱量・仕事の関係式)を学習します。
大学ではこれを更に発展させてエンタルピーや自由エネルギーを学び、最終的にエントロピーと乱雑さの考え方を習得します。
エントロピーは物理学以外にも機械工学や化学・化学工学、生物学などの分野でも非常に大切な内容なので、多くの理系学部の授業で取り上げられます。
熱力学では熱エネルギーから運動エネルギーを取り出す方法や、逆に運動エネルギーから熱エネルギーを移動させる現象についてを考えます。
熱エネルギーから運動エネルギーを取り出す身近な例は、自動車や発電所で利用されている熱機関です。
自動車のエンジンや発電所のタービンは燃料を燃焼させて発生させた熱を利用して気体を膨張させることで、運動エネルギーを取り出すことができます。
反対に運動エネルギーを利用して熱を移動させることも可能です。
例えば、エアコンや冷蔵庫では冷媒用のガスを利用して、低温の場所から高温の場所に熱を移動させることができます。
冷媒用のガスを圧縮して熱を放出させた後に力を加えて膨張させると、ガスの温度を下げることができます。
冷たくなったガスを利用して冷却をすることができ、熱を吸収した冷媒を再び圧縮・膨張させることで冷蔵庫や室内の冷却を行います。
このように気体の状態方程式や自由エネルギーという概念を用いることで力学的な力を加えて熱を移動させたり、熱を移動させることで運動エネルギーを取り出すメカニズムや熱効率などを議論します。
気体が熱を吸収したり外部に仕事をする現象を議論する過程の途中で、乱雑さ(自由度またはエントロピー)という概念が出てきます。
物理学の世界では時間の経過と共に不可逆的にエントロピー(自由度)が増大すると考えられていますが、これは高校課程では学ばない新しい考え方です。
理想気体の自由度からスタートしたエントロピーはさまざまな物理・化学現象や生物の活動などを説明する上で必要不可欠な概念なので、きちんと基本を押さえておく必要がありあります。
気体は目に見えないので、熱力学は多くの学生が理解しにくいと感じる分野のひとつです。
多くの大学生はエネルギーの保存は理解することはできても、不可逆的にエントロピーが増加することを難しいと感じることがあります。
エントロピーを理解することは非常に難しいため、世界中の多くの理系の学生が苦手とする分野のひとつです。
熱力学は教科書を読んだり講義を聴いた直後は何となく分かったような気分になるかもしれませんが、試験の時に問題が解けずに単位を落としてしまう学生が多いです。
勉強する際のポイントは、教科書に収録されている例題や練習問題を自分で解いてみることです。
実際に問題を解いて自分で数式を変形してみたり圧力と体積の図を描いてみることで、目に見えない気体の状態変化の現象についてをしっかりと理解することができるようになります。
ピストンやコンプレッサーの実物を見たり模型を動かしてみることも、熱と仕事の関係を理解する上で役立ちます。
熱力学は熱機関や冷却装置を開発するために考え出された分野なので、実際にエンジンなどの内燃機関やエアコン・冷蔵庫の仕組みを考えると理解しやすくなります。
気体は実物を見ることができないので大学生にとって理解しにくい分野ではありますが、図などを使って視覚的にイメージしながら学習を進めて行くようにしましょう。
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