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前回は、専門職大学の概要や専門学校や大学との違いについて解説しましたが、今回はもう少し踏み込んだ部分を見ていきましょう。
専門職大学設立の背景には、社会の変化があります。
社会の変化により、大学の教育も変える必要が出てきました。
AIなどの技術が発展し、これからはその技術を使いこなせる力と、その技術を駆使して新しいものを生み出していける人材が求められるようになってきたのです。
しかし、現代の企業には、1からそういった人材を育成する余裕がなく、仮に育成できたとしてもめまぐるしい社会の変化に対応していくことが難しいのが現状です。
そこで、企業がバックアップした上で、社会に出た時に即戦力となる人材育成を大学で行おうということになったのです。
また、大学も、かつては学問研究が中心でしたが、進学率の上昇に伴い、いろいろな目的を持った人が入学するようになりました。
このように、社会の変化、企業が求める人材育成、大学の変化による需要の変化から、専門職大学が誕生したのです。
専門職大学のカリキュラムは、下記の4つの科目により構成されています。
従来の大学の一般教養科目にあたる科目です。
外国語などがそれにあたります。
専門分野の核となる科目です。
従来の大学の専門科目にあたります。
また、座学だけではなく、長期のインターンシップを通して、専門分野の基礎知識、理論、実践を身につける科目となっています。
専門分野のビジネスにおいて必要になる、他の分野での応用力を身につける科目です。
医療系の分野であれば、医療技術や実習だけではなく、医療施設のマネジメントを学ぶと、経営という側面においても強くなります。
そういった「業界」として捉えた時に必要になることを学ぶ科目です。
従来の大学の卒業論文・卒業研究にあたる科目です。
それまでに学んだ知識・技術の集大成です。
4年制の専門職大学の場合、下記の通り、単位を取得する必要があります。
基礎科目:20単位以上
職業専門科目:60単位以上
展開科目:20単位以上
総合科目:4単位以上
入学試験の対象となる人は、基本的には従来の大学と変わりません。
従来の大学と同様に、一般入試以外にAO入試や社会人入試を実施している専門職大学もあります。
社会人として実務経験がある人が入学する場合は、経験に応じて単位の認定や修業年数へ通算できる等の制度を設けている場合もあるようです。
また、高等専門学校や短期大学を卒業した後の編入も可能となっています。
各要項・制度は大学によって異なるので、詳細は各大学のホームページ等で確認してみてください。
専門職大学では、4年間で600時間以上の企業内実習がカリキュラムに含まれています。
大学が指定する企業に通い、実践力を身につけることが目的となっています。
従来の大学でも、実習がカリキュラムに組み込まれている場合がありますが、専門職大学では、主に下記を目的とした実習が実施されます。
・専門分野に関連する他の分野の単位を取得し、新しいサービスを生み出すことができる創造力の育成
・社会の変化に対応し、業界をリードする人材の育成
単に現場で実践形式で学ぶだけではなく、新しいアイデアを生み出していける人材育成を目的としているのです。
専門職大学が誕生してから日が浅いため、数はまだまだ少ないですが、現在ある専門職大学の一部を紹介します。
2019年開学の東京都・大阪府・愛知県にあるファッションの専門職大学です。
世界のファッション産業界と連携し、国際的に活躍できるリーダーを育成します。
2020年開学の理学療法・作業療法の専門職大学です。
30年以上にわたり、保健医療福祉分野の国家資格取得者を輩出してきた敬心学園が運営しており、国家試験対策にも力を入れています。
2020年開学の静岡県にある農林業分野の専門職大学です。
農林業経営のプロフェッショナル、地域社会のリーダーとなる人材を育成します。
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