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「法学部」とは、その名の通り、法や法律について学ぶ学部です。
「法」とは秩序を守るための規範のことで、憲法も法に含まれます。
「法律」とは国会が制定した法のことを指します。
「法律」と聞くと、殺人事件の裁判などで刑を言い渡されるシーンを想像する人が多いかもしれませんが、
法律は私達の身の危険だけではなく、権利や財産を守るためのものでもあります。
法学部は、私達が社会生活を営む上で基盤になる秩序のあり方を学ぶ学問と言えるでしょう。
大学によって異なりますが、多くの大学では1~2年次に「法・法律とは何か?」というところから始まり、法律の考え方の基本を学びます。
六法全書という言葉の方が馴染みがあるかもしれませんが、憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の主要な6つの法を「六法」と呼びます。
この六法も、1~2年次から学んでいきます。
3~4年次は、より専門的な知識を学んでいきます。
もともと「学科」というくくりで分かれている大学も多いですが、法学と政治学でコースが分かれたり、より自分が学びたい分野を専門的に学ぶことができるようになります。
また、西洋・アジアの政治史について学んだりと、国際色も豊かになっていきます。
必要な単位を取得していれば、卒業とともに取得できる主な資格は下記の通りです。
・中学校教諭一種(社会)
・高等学校教諭一種(地歴・公民)
・学芸員
これらの資格は他の学部でも取得できますが、法律に関する資格は、試験に合格する必要があるものがほとんどです。
「法学部」と聞いて、真っ先にこの資格を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
司法試験は、弁護士、裁判官、検察官になるために必要な資格を取得するための試験です。
法科大学院課程修了者もしくは司法試験予備試験合格者が対象となり、合格率は約20~30%という狭き門です。
大学院卒業後も、何年も司法試験に向けて勉強を続ける人も少なくありません。
司法書士は、相続・遺言に関係する手続き、不動産売買や登記申請、会社(法人)の設立手続き等、身近な法律問題に関する業務を行います。
裁判所や検察庁、法務局に提出する書類作成から、法務大臣の認定を受けた司法書士は簡易裁判所が管轄する民事事件に関わることもあります。
弁理士は、依頼人の代わりに知的財産に関する手続きを行うことができます。
商標や特許といった、身近にある権利に関わる業務が主となっており、特許事務所で仕事をします。
あまり聞き慣れない資格かもしれませんが、合格率は約6~7%と難易度が非常に高い資格となっています。
「社労士」と呼ばれることも多いこの資格は、社会保険手続きや就業規則の作成等、企業での労働における相談業務が主となる資格です。
社会保険労務士としてだけではなく、コンサルタントやアドバイザーとして活躍する人も多いです。
価格帯は様々ですが、通信講座で勉強することもできます。
行政書士の主な仕事は、個人や会社(法人)が官公庁に提出する書類(会社の設立、飲食店の営業開始の申請書、土地や建物の貸し借りにおける契約書など)の作成です。
先述した司法書士や社会保険労務士の資格と併せて取得し、仕事の幅を広げる人も多い資格です。
通関士は、貿易に関する唯一の国家資格で、輸出入に必要な業務を行うために必要な資格です。
輸出入者の代理人として、税関に申告などの手続きを行う仕事で、大半は、通関業者や通関部門を持つ商社に勤務しています。
法学部を卒業した後、司法試験を受験するために法科大学院に進んだり、
先述した資格を取得して法律に関係する仕事をする人が多いというわけではありません。
そうした人はむしろ少数派とも言えるかもしれません。
就職先としては、国家公務員、銀行、証券会社、保険会社等、民間企業も含めて幅広いですが、金融業・保険業・公務員等が多い傾向にあるようです。
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