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レポートを書く上で「動詞」を意識したことはありますか?おそらくあまり意識せずに書き進めていると思います。
ここでは、レポートの仕上がりに影響する動詞の使い方について説明します。
次の文章を読んでください。
「学校現場では教育課程を分析し、それぞれの学校で指導内容を具現化している。小学校では今回の改訂を受けて、授業内容の充実が掲げられ、道徳が教科として位置づけられたことが明らかになった。さらに道徳教育は、授業内で今まで以上に具体的な取り組みを行わなければいけないことがはっきりした。しかし実際には授業時数が増え、道徳は評価も行う教科となったことは、児童のみならず、教師にとっても道徳教育の難しさを実感するものとなったと感じる」
この中で、いくつかの動詞が使われていますが、レポートに記述する動詞としてはふさわしくないものがあります。わかりますか?
この文章中でふさわしくない動詞は「はっきりした」と「感じる」です。
動詞の中には思考動詞と伝達動詞があります。
ここではその定義は必要ではないので解説は省きますが、それぞれの動詞はこのように使われます。
思考動詞「思う」「考える」などの思考を表すときに使う動詞
伝達動詞「言及する」「いう」などの伝えるときに使う動詞
レポートは、この思考動詞と伝達動詞を非常によく使用します。
しかし「思う」「考える」「言及する」「いう」という動詞だけを使うと、レポートにしまりがなくなってしまうため、文章の構成や内容から使い方を変えていくことが大切です。
レポートを書くときには、動詞はとても重要です。
中でも思考動詞と伝達動詞が重要でレポート全体の出来栄えも左右するほどです。
このように比べてみるとよくわかるでしょう。
「学校現場では教育課程を分析し、それぞれの学校で指導内容を具現化している。小学校では今回の改訂を受けて、授業内容の充実が掲げられ、道徳が教科として位置づけられたことが明らかになった」
「学校現場では教育課程を考えて、それぞれの学校で指導内容を具現化している。小学校では今回の改訂を受けて、授業内容の充実が掲げられ、道徳が教科として位置づけられたことがわかった」
最初の文章の方が、レポートとして明晰でわかりやすい文章といえます。
思考動詞と伝達動詞をうまく使うことによって、文章が引き締まることがわかっていただけたと思います。
そこで、このふたつの動詞の中で、レポートに相応しい使い方をピックアップします。
レポートの構成にあわせて、必要に応じて使用しましょう。
レポートの中で最も大切な自分の主張。この主張をする際に使うとよい動詞は「主張する」「論じる」「述べる」「示す」「明らかにする」などです。
「思考力、判断力といった自発的な能力が育つような授業展開について述べる」
「授業を行った結果を明らかにする」
などです。
また、レポートでは引用が多く使われますが、そのときは「指摘する」「言及する」「挙げる」「参照する」などを使うとよいでしょう。
「文部科学省では、能動的な学びができる子の育成を目指すと言及する」
「文部科学省では社会に開かれた教育課程が大切であると指摘する」
という使い方です。
また調査に関することは、「調べた」でも問題はありませんが、「調査した」「分析した」「検討した」「収集した」の方がより具体的でレポートとして適しています。
「各学校現場において教育課程を分析した」
「東京都内の小学校の実践状況を収集した」
「文部科学省の示す方向性を検討する」
調査について記述するときの動詞は、比較的日常でも使われている言葉が多いですね。
そして、自分の主張したことについて結論を記述する場合には、「主張した」「論じた」「述べた(述べてきた)」「示した」「明らかにした」など、主張に対して、結果を「~した」という風に表すとよいでしょう。
「思考力、判断力といった自発的な能力が育つような授業展開について述べる」
「授業を行った結果を明らかにする」
というかたちになります。
文章全体としては、「~について述べる」と主張し、「~であると指摘する」と主張を裏づける根拠を引用し、「~と明らかにした」という流れをもとに言葉を選んで使っていけば論理的な記述ができるということです。
文章の記述をする際に、その文章に書かれている内容がどのようなものであるかは、最初の部分と最後の動詞に当たる部分を読むとつかむことができるものです。
自分が記述したものを推敲するときには、最初の出だしと動詞のつじつまが合っているかをていねいに確認をするようにしてください。
ここに挙げた動詞を使うだけでも、大学生のレポートらしい文章を書くことができると思いますので、利用してみてください。
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