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医学部での地域枠という制度はすでに聞いたことがあるかもしれません。
簡単にいうと、特定の地域や診療科で診療することを条件に奨学金を貸与し、条件通り従事することでその返還が免除されるなどの優遇制度です。
この地域枠が薬学部にも導入されています。
今日は、そんな今話題の薬学部の地域枠についてご紹介します。
冒頭でも述べた通り、すでに2010年から医学部では地域枠が導入されています。
地域枠受験をすることで医学部を卒業した後に僻地医療や小児科、産科医療などの人材確保が難しい領域で働く代わりに学費の一部や全額を奨学金として貸与してもらえる制度です。
その代わり、大学卒業後は原則規定の年数、その地域で働くことが条件になっています。
修学資金の支援や奨学金の返還免除など、その条件は各地域枠によって異なります。
一般的に地域枠で受験した方が一般で入るよりも「入りやすい」といわれることがありますが、一概にはそうはいえません。
そのケースはありますが、例えば、修学資金の支援や奨学金制度が整っている地域枠では一般よりも難しくなっているところがあり、偏差値も高い場合があります。
そんな医学部で導入されていた地域枠が、薬学部でも導入されています。
最初に導入したのは2021年4月に新設された和歌山県立医科大学薬学部で、定員100人のうち15人をいわゆる地域枠とし、卒業後2年間、地域の病院や薬局で研修することを義務付けました。
2023年度入学者から地域枠を導入した明治薬科大学では、定員360人のうち10人を地域枠にし、薬学部のない14県の出身者を対象にしています。
卒業後は出身の県で9年間薬剤師として働くことを条件に、年間134万円の授業料相当額を全額支給します。
国立大学では富山大学の薬学部が初めて地域枠を設け、6年制の薬学科定員70人のうち10人が富山県出身者対象の地域枠になります。
9年間、県内の公的病院や製薬企業、県職員のいずれかで働くことを条件に奨学金全額を免除するようです。
他にも、関西の神戸薬科大学も24年度から地域枠を導入するなど薬学部での地域枠受験というのは広まりつつあります。
順番に解説します。
薬学部での地域枠受験のメリットとしては、やはり学費など費用を抑えて大学に通えることでしょう。
薬学部や薬系大学は6年間とかなり長く、授業料も高いので、そこに行って薬剤師を目指したいと思っていてもなかなか踏み切れない受験生も少なくないと思います。
地域により詳細は異なりますが、それが優遇されるというのは大きなメリットです。
他にも先に少し述べましたが、大学によっては入試の難易度が低くなることがありますので、それもメリットです。
その一方で、地域枠受験のデメリットとして最も大きいのは「縛り」でしょう。
卒業後、10年間など決められた地域・期間働くことを条件にしており、移動の自由などの制限があります。
大学卒業後は「ここで働く」と決まっていても、人生何が起こるかはわかりません。
ライフスタイルの変化やその地域での関係性などの悪化など思わぬ事態が起こり、外に出たくなるかもしれませんが難しいのが現状です。
いかがでしたか?今日は、今広がりつつある薬学部の地域枠受験について解説しました。
現状、いくつかの大学で地域枠が導入されていますが、人員確保を目的に今後はますますこの動きが広まることが予想されます。
あなた自身は、この地域枠についてどのようにお考えですか。
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