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AO入試がスタートした年代は1990年とされています。ここだけ聞くとつい最近始まった制度なんですね。初めて行われた場所は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスでした。
当時はまだ「AO入試」という言葉は浸透することはなく、知名度もあまりなかったため、受験した生徒はごく一部でそこから徐々に広がりを見せたようです。
AO入試は学力やそこから得られる知識を重視していた元来の日本の受験・教育制度の育成を大きくひっくり返すほどの革新的な制度となりました。
現在でもAO入試の特出した部分は変わっていません。
学力だけで学生の能力を判断するのではなく、その学生の個性や大学生としての適応能力、学習に対しての興味関心を評価に加えることによって、総合的に判断し、その学生の能力を伸ばしていこうという方針の下で今日の日本でも成り立っています。
このAO入試の導入の背景には、ゆとり教育の導入も含まれており、学力だけで個人をはかるのではなくその個人の個性を伸ばす教育を推進するという目的の導入でもありました。
ゆとり教育と共に発展し成長していったAO入試は、その年の9月から10月に行われる比較的早い段階で行われる試験です。
このため、より早い段階からの意識や学力への向上が望まれるため、意識の高い学生を集めるとされていました。
しかし、それとは裏腹にAO入試の弊害も出てきています。
それは、AO入試で入学した大学生が一定数退学をしていくといった傾向が見られたことでした。
AO入試は比較的早い段階で合否が決まり、高校生活の後半は受験に追われるクラスメイトとは違って大学生活を既に見据えた生活を送ることになります。
すると、他の生徒よりも意識をするのが早かったためか、糸が切れるのが早いとのことです。
AO入試には様々な問題点がありますし、ゆとり教育が見直されつつある今、AO入試の意味の根幹も揺らいでいます。
しかし、AO入試によって個人の学力だけでなく個性や興味関心をくみ取って学生本来の姿を見るというのは決して間違ったことではありませんし、本来ならば学生の観点としては着目点は正しいのです。
長い歴史であるとは言えませんが、実際AO入試により大学に入ったすべての人が退学をするというわけではもちろんありませんし、個性を活かして社会で活躍するために積極的に学ぼうとする人材を育成できるというのは本当のことなので、日本ではこれからも発展していく受験スタイルでしょう。
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