国語が苦手な人や、国語の偏差値がなかなか上がらなくて困っている人に「現代文」の勉強ポイントを紹介します。
ぜひ、参考にしてください。
まずは現代文という科目を知る
現代文は国語の1つで現代日本語で書かれているものです。
日本で生まれ育った人のほぼ全てが日本語を母語としています。これを読んでいる皆さんも、日本語が第一言語だと思います。
そんな私達が当たり前に毎日使っている「日本語」で書かれた現代文なので、勉強しなくてもいい、勉強のしようがないなど現代文に対して具体的な対策はないと思っている人が多いです。
しかし、これは大きな間違えです。
このことについては後で詳しく解説します。
そもそも、高校での学習内容を法的拘束力を持って規定する高等学校学習指導要領によると、国語では「国語総合」という科目が必履修科目です。
この国語総合科目は「現代文」、「古文」、「漢文」の3つから構成されており、その中でも最も配点が多いのが今回紹介する現代文なのです。
センター試験などの大学受験での国語には「国語総合」が出題範囲になっており、国公立大学や私立大学の各自試験もこの学習指導要領に沿って出題されています。
現代文の本質は評論など論理的な文章ならそれを読み構成・展開などを的確に捉える、小説など文学的な文章なら書き手の意図・人物・情景(心情)などを的確に捉えること。
ココがポイント
要するに、自分の考えや感想ではなく文章に書かれていることを理解し設問に的確に答えるのが現代文なのです。
現代文を苦手とする人の中には、この現代文の本質自体をあまり理解していない人が多いので、まずは現代文の本当の意味をしっかり知っておくことが重要です。
現代文=センスと言われる理由
皆さんも友人などから一度はこう聞いたことはありませんか?
「現代文はセンスだよ」と。
確かに、日本語で書かれた文章を読み取るので普段日本語を勉強していない私たちによって勉強のしようがないように思えますが、そんなことはありません。
現代文をセンスと思っていると、いつまで経っても進歩しません。
ココに注意
その ‘’センス'' である程度の点数が取れればいいですが、MARCH以上などある程度のレベルになるとセンスだけでは対応できません。
確かに、現代文は数学のように1つの設問に1つの解答というわけではないので、対策は難しいかもしれませんが、国語の偏差値を確実に上げていくには正しい勉強法が必須です。
現代文を読み解くために必要なスキルは簡単にいうとこの2つ。
・語彙力
・読解力
語彙力
語彙力は文章を理解する上で欠かせません。
「日本語だから知らない言葉はないだろう」を思っていると専門的な用語が出てきた時困るので軽視しないでください。
前後の文章を見てある程度予測できるようならまだいいですが、単語の意味を知らないと文書の流れが一切理解できないようなこともあります。
語彙力は、言葉の意味もそうですし、漢字の読み方もそうです。
読解力
読解力は、その言葉の通り問題文や設問文をしっかり読み解くための能力です。
文章を理解するのは当然大切ですが、いくら本文を正しく理解していても設問内容をしっかり理解しないと解けません。
この他に、問題を解いていく上でいくつかある解答の選択肢から正しいものを選択する解答力も求められます。
いずれにしても、現代文ではこの語彙力と読解力が何よりも大切な要素です。
勉強する際はこの2つのポイントに着目します。
語彙力を鍛えるための勉強法
まずは、語彙力について。
現代文でよく出題される文章は、近代以降の評論と小説です。
評論とは、筆者が自分の意見を主張するために書いた文章です。
大学教授や評論家などの専門家が書いた難しい文章のことで、学術用語などの語彙がたくさん使われます。
それに対して、小説は人間の心理を表現する文章で、言動、態度、心情などを表す語彙が含まれます。
ココに注意
評論文では、創作活動を含む世の中で起きていることが題材になることが多く、必ずしも的を得ている内容とは言えません。そのため、自分の頭で考えながら判断していく力が求められます。
そのため、評論家の中には「わかりやすい文章を書けない評論家」もおり、筆者によって読みやすさが変わることもあります。
いずれにしても、やはり普段から評論を読んでおくことです。文章を読みながら語彙力も高めていきます。
たくさんの文を読んでいると評論の流れもわかってくると思います。
続いて、小説。
小説では難しい単語が使われることはありません。しかし、心情を読み取らなければいけないので苦手な人は苦手です。
ココがポイント
小説に慣れるのも大切ですが、読む際は主人公になりきるというのもいいです。あとは、心情を表す重要単語などをノートにまとめるのもオススメです。
読書に慣れていない人が急に本を読んでも続かないので、最初は分量の少ないものから始めます。
慣れてきたら夏目漱石など著名人の小説に挑戦しましょう。
あとは、フランス語やスペイン語などの外国語の語彙も学びます。英語ならある程度わかるかもしれませんが、フランス語などになるとあまり一般的ではないので理解に困るでしょう。
受験で出される評論文の中にはあえて外国語を用いた難しめの文章もあります。
読解力を鍛えるための勉強法
ポイントは3つ。
・漢字
・文章のキーワード
・論理展開
漢字は、文章中はもちろんのこと漢字の問題も出題されることがあります。
漢字問題自体の配点は小さいですが、侮ってはいけません。大学入試ではこの数点の差が合否をわけるかもしれません。
次に、文章のキーワード。
読解ではこのキーワードをいかに読み取れるかがキーになり、これがわかれば一気に楽になります。
また、評論には、思想、歴史、哲学、宗教、経済などあらゆる分野の文章が出題され、仮にそのジャンルに詳しくなければ、日本語であっても理解しにくいです。
ココがポイント
そのために、日頃からあらゆるジャンルの文章を読んでおくこと。その分野に精通していなくても少し知識があるだけで理解力が大きく変わります。
最後に、論理展開。
評論文では、因果関係、順接、逆接、対立などの論理展開を把握しておくことも理解する上では重要。
大学受験の現代文では、なんとなくやセンスだけでは決して解けません。このように、論理的にアプローチすることが現代文攻略への近道なのです。