Short Story1(教育実習生編)

2018年02月19日

≪心に届いた寄せ書き≫

 

初めての教育実習は、正直とんでもなくキツかった。

まず、睡眠時間が取れなかった。

本当に眠る時間が確保できずに、実習期間中の平日の平均睡眠時間は2時間程度だった。

 

無理もない。

何の経験値も無い実習生の僕は、まず授業計画を立てるのに時間がかかり、担当教官から何度もやり直しを命じられ、教材研究もゼロからとなるため1つ1つ教材を作っていくにも時間がかかり、そして毎日の授業の反省に、日報に、子どもたちの宿題の丸つけやコメント書きなどで、あっという間に時間が奪われていった。

 

現役の先生方は本当に時間の使い方が上手いな、と思いながら、自分が小学生だった時に、先生が全ての宿題にコメントを書いてくれるわけではなく「みました!」というスタンプ1つしか押してくれなかったのも納得できるような気がした。

1人1人にコメントを書いていくと、1クラス分で小1時間はかかる。これで2つの宿題なら2時間、3つなら3時間だ。

 

でも僕は子どもたちと少しで濃厚な時間を過ごして思い出を作りたいと思っていたので、スタンプひとつで終わらせる事はしなかった。

時間がかかっても、睡眠時間を削っても、僕は宿題や日記を丁寧に見て、コメントを書くことにこだわった。

 

4週間の教育実習で学んだ事は大きかった。

国語教育を専攻していた僕に、指導教官は1つの単元を丸々任せてくれた。

大きなテーマを掲げて、子どもたちと共にそのテーマに取り組んでいくのは、準備から何から全て大変だったが、やりがいを感じた。

 

この国語の授業の最終回を研究授業に当てて、教育実習の集大成として指導教官を始め、実習先の校長や他のクラスの先生方にも見てもらい、評価をいただいた。

褒めてもらう点もあれば、改善点やアドバイスももらい、僕の教育実習は幕を閉じた。

 

最終日に、僕を受け入れてくれたクラスの子どもたちがお別れ会を開いてくれた。

国語学習で学んだ事を生かした寸劇を見せてくれたり、今音楽の授業で習っている歌を聞かせてくれたり、ゲームを考えて皆で遊んだり、楽しいひと時を過ごした。

「最後に先生にプレゼントがあります」と司会の子が言って、渡されたのは、クラス全員からの寄せ書きだった。

 

僕は、それをもらっただけで涙がこみ上げてきた。

目を通すと「先生のじゅぎょうが楽しかったです」や「先生は、ぜったいにいい先生になると思います」など子どもたちからの熱いエールが並んでいた。

 

「これがあるから教員は最高の仕事なんだよな」と横から覗き込んできた指導教官に言われ、僕は絶対に素晴らしい先生になると決意を新たにした。